こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2021年25本目】映画「すばらしき世界」観ました。
【解説・あらすじ】
『永い言い訳』の西川美和が脚本と監督を手掛け、佐木隆三の小説「身分帳」を原案に描く人間ドラマ。
原案の舞台を約35年後の現代に設定し、13年の刑期を終えた元殺人犯の出所後の日々を描く。
『孤狼の血』などの役所広司が主演を務め、テレビディレクターを仲野太賀、テレビプロデューサーを長澤まさみが演じている。
橋爪功、梶芽衣子、六角精児らも名を連ねる。下町で暮らす短気な性格の三上(役所広司)は、強面の外見とは裏腹に、困っている人を放っておけない優しい一面も持っていた。
過去に殺人を犯し、人生のほとんどを刑務所の中で過ごしてきた彼は、何とかまっとうに生きようともがき苦しむ。
そんな三上に目をつけた、テレビマンの津乃田(仲野太賀)とプロデューサーの吉澤(長澤まさみ)は、彼に取り入って彼をネタにしようと考えていた。
【感想】
完璧な脚本、完璧な演出、完璧なキャスティングをエモーションで紡いだ、いい意味で未完成、余白のある物語でした。
ヤクザ者が生きづらい映画、は多分世界中に五万とあると思うのですが、さすがは西川作品。
あくまでも属性はシンボリックなものとして捉え、
誰もが感じる息苦しさ、生きづらさを縦軸、
真直さや人が本来持つべき優しさ、他者を思い遣る気持ちを横軸として、
真正面から社会的孤立の持つ恐怖を表現しきっていました。
キャスティング、演者さんたちの演技もさすが!
役所広司さんは多作なだけに当たり外れがある、と思っていたのですが、本作では彼のおそらくは本性である少年性、裏腹の狂気が十二分に発揮されていました。
そして何より仲野太賀さん!
彼がいるだけでお話のギアが一段上がる、もしくはギュッと引き締まる、まるでサッカーのゲームメーカーのような支配力。
大作の主役ももう十分視野に入っている、そのきっかけのような作品になっています。
演出上の肝はおそらくラストシーン。
ここから脚本を作り、シーンを組み立てたのではないかと推測するのですが、
あの結末をどう捉えるのかで「鑑賞後の劇場の外」の風景がガラッと変わると感じます。
これからいくつもの映画を観ていくのでしょうが、おそらくあの最後の「取り残されたような風景」は忘れないと思います。
【評価点・つけるとしたら】
☆4.2です!
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
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