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アルシオン通信

Alcyon Blog

2022年06月 の投稿
2022年06月27日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2022年36本目】映画「トップガン・マーヴェリック」観ました。

マーヴェリック(トム・クルーズ)は、かつて自身も厳しい訓練に挑んだアメリカ海軍パイロットのエリート養成学校、
通称「トップガン」に教官として戻ってくる。
父親と親友を空で失った過去を持つ彼の型破りな指導に、訓練生たちは反発する。
彼らの中には、かつてマーヴェリックの相棒だったグースの息子ルースター(マイルズ・テラー)もいた。

トム・クルーズをスターダムにのし上げた出世作『トップガン』の続編。
アメリカ軍のエースパイロットの主人公マーヴェリックを再びトムが演じる。
マイルズ・テラーをはじめ、エド・ハリス、ジェニファー・コネリー、ヴァル・キルマーらが共演。
監督はジョセフ・コシンスキー。

【感想】

前作は鑑賞したはずなのに、すっかり内容、忘れてました。
そして、忘れていました。トム・クルーズはアクション俳優である前に「演技派俳優」であることを。。。

まずストーリー。
これが単なるアクション映画だと思って見に行くと完全に予想の上を行く、
家族、恋人、友人、上司部下といった、あらゆるレイヤーにしっかりリンクする多層構造。
トム・クルーズを媒体に、広く、それでいて浅くなく感情移入できる書き込みの細かさは十分満足。

そして演出。
そりゃあ、迫力は100点満点で10000点!
めったにアクション映画を見ない僕でもその文法がしっかり伝わるし、
IMAXのポテンシャルを信じ切って作ったであろう音作りも秀逸。

あえていちゃもんをつけるとすれば、
ミッションの設定がいかにも、、、で、そこだけ薄くてやたらと目立つ。
ことでしょうか。

演技のメゾットに関しては賛否あるトム・クルーズですが、
このバランスが出せるのは無二であることもまた確か。

思い出補正に頼らなくても十分アガる!
ぜひぜひおすすめです!

【評価点・つけるとしたら】
☆4.4です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た
2022年06月19日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2022年35本目】映画「さがす」観ました。

原田智(佐藤二朗)は、中学生の娘・楓(伊東蒼)と大阪の下町で暮らしていた。
ある日、彼は娘の楓に指名手配中の連続殺人犯を目撃したと告げ、その翌朝突然姿を消す。
警察は本腰を入れて捜索してくれず、楓は自分の力で父を捜して歩く。
ようやく日雇い現場に父親の名前を発見して訪ねて行くと、そこには全くの別人の若い男性がいた。

片山慎三が監督と脚本を手掛けたドラマ。
一人残された娘が、突然行方をくらませた父親を探し始める。
佐藤二朗が父親、伊東蒼が娘を演じ、清水尋也、森田望智らが共演する。
第26回釜山国際映画祭ニューカレンツ部門に出品された。

【感想】
事前情報、作品のプロットからはたどり着けない、ちょっと想像の上を行く展開の物語。

まず脚本、ストーリー。
よくある時系列回収ではあるものの、
整理整頓がきっちりしているので時空に置いてきぼりになることはなし。
テーマも魅力的で展開もスピーディー、緩急もあるリズム感の良さは秀逸。

次に演出、俳優陣。
佐藤二朗さんはこういうシリアスな役のほうが多分本質。骨太感のある、トルクの効いた演技。
対する清水尋也、今作でもその才能は炸裂。この役、他に誰ができるの?怖ささえある完成度。
伊東蒼さんと佐藤二朗さんの最後の対話も含め、きっちりしていたと感じます。

ちょっとだけ難点は
・ポン・ジュノイズムなのかもしれませんが、キッチリし過ぎている。。
・回収は見事なんですが、これもまた見事すぎで、こんなにうまくいくかなあ。。
ぐらいでしょうか。

善悪。
真実と虚偽。
正常と異常。

どれもが矛盾しながらも確かに僕の中、あなたの中にも在る、さあどうすると問いかけてくる今作。
今の世界を俯瞰する意味でも必見作だと思います。

【評価点・つけるとしたら】
☆4.0です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

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伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た
2022年06月18日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2022年34本目】映画「ちょっと思い出しただけ」観ました。

2021年7月26日。
34歳の誕生日を迎えた佐伯照生(池松壮亮)は、サボテンの水やりなどをしてからステージ照明の仕事へ向かい、ダンサーにライトを当てていた。
一方、タクシー運転手の葉(伊藤沙莉)は、客を乗せて夜の東京を走っている。
トイレに行きたいという客を降ろした葉は、どこからともなく聞こえる足音に導かれて歩き出し、照生が踊るステージにたどり着く。
さかのぼること1年前の7月26日。
照生は自宅でリモート会議をし、葉はマスクを着けて飛沫シートを付けたタクシーを運転していた。

松居大悟監督が、監督と脚本を務めたラブロマンス。
別れを迎えたカップルが過ごした6年間を1年ずつ同じ日をさかのぼるようにして映し出す。
池松壮亮、伊藤沙莉、河合優実のほか、高岡早紀、菅田俊、國村隼、永瀬正敏らが共演する。
クリープハイプが音楽を担当し、そのメンバーである尾崎世界観も出演している。

【感想】
もしかしたらあったかもしれない、あの日の日常、あの頃の恋を丁寧に摘み取った物語。

まず脚本、ストーリー。
お話自体は起伏も少ないし、特別なことが起こるわけでもない。
本当に日常にありがちな一日、一年、時の流れを時系列を探りながら訥々と語り切る手法。
アレ、松居監督ってこんな作風だったけと一瞬戸惑うくらい、淡さと深みを感じさせられ、
気持ちの良いヤラレタ!感がありました。

そして俳優、演出。
もうね、伊藤沙莉さんと池松壮亮さんをこの役に据えた時点で勝利。
二人の掛け合い、「ナイト・オン・ザ・プラネットごっこ」のところなんかあと一時間は観ていられる。
脇を固める俳優陣も物語への溶け込み方が半端ないし、
ニューヨーク・屋敷さん、クリープハイプボーカル、尾崎世界観さんの起用も当たり、しっかりとした好演。
レイヤーの違いを感じさせない演出も、これもまた、ヤラレタ!!感強めでした。

ややマイナスなのは

・ちょっとセリフが冗長に感じるところがある。ほんとにちょっとなだけに返ってきになる。。
・事件らしい事件がないので一瞬どの時間軸にいるのか見失ってしまった。

ぐらいでしょうか。

いずれにしてもです。
正直、松居作品、初期は苦手なものも多かったのですが、最近気づけば観てる。
肌に馴染んでいくような、脚本力、確かなキャスティングセンスの進化に惹かれているのだと思います。
今後も食わず嫌いにならず、しっかりチェックしていこうと思います。

【評価点・つけるとしたら】
☆4.0です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

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伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た
2022年06月16日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2022年33本目】映画「護られなかった者たちへ」観ました。

東日本大震災から9年が経った宮城県の都市部で、
被害者の全身を縛った状態で放置して餓死させるむごたらしい連続殺人事件が起こる。
容疑者として捜査線上に浮かんだのは、知人を助けるために放火と傷害事件を起こし、刑期を終えて出所したばかりの利根(佐藤健)。
被害者二人からある共通項を見つけ出した宮城県警の刑事・笘篠(阿部寛)は、それをもとに利根を追い詰めていく。
やがて、被害者たちが餓死させられることになった驚くべき事件の真相が明らかになる。

中山七里の小説を原作にしたミステリードラマ。
宮城県で発生した連続殺人事件の容疑者となった青年と、彼を追う刑事の姿から日本社会が抱える格差の実態を浮き彫りにする。
監督は瀬々敬久。
佐藤健、阿部寛のほか、清原果耶、倍賞美津子、吉岡秀隆、林遣都らが出演する。

【感想】
これだけの豪華キャストの中で、さらに輝く清原果耶!!

今回は原作小説は購入未読、いわゆる積読本の状態、さらっとストーリーを書評等で仕入れた状態での鑑賞。

まずストーリー。
これは正しく現代的大命題「分断」にメスを入れ。
震災、その後の生活再建問題と生活保護をモチーフに、丁寧に書き込まれた真摯な脚本であったと感じます。
二項対立になりがちなところもしっかり多面的に描かれており、より一層ことの重大さを感じることができました。

俳優陣も好演。
阿部寛さんの安定感、佐藤健さんの感情を絞り出すかのような表現、そして何より清原果耶さんの圧倒的支配力!
脇を固める俳優陣も的確な配役、イメージに合った演出は数多の作品を世に送り出してきた瀬々監督の手腕を証明していると感じます。

残念だったのは、
1 本筋である生活保護問題に対する深掘りがもうちょっとほしい。
2 割と早い段階で結末が見えてくる、つまりは回収が少し雑。
な点でしょうか。

「分断」。
経済的な分断のみならず、
そこには故郷を離れるざるえなったり、仕事のために家族と離れたりといった距離的分断。
震災の影響で精神状態が不安定になり、不幸にも生まれてしまった心の分断。
いろいろなフェーズがあり、誰もがその縁に立っているのが今の現実なのでしょう。

他者の立ち位置に思いを寄せる事の重要性を再認識する作品だったと思います。

【評価点・つけるとしたら】
☆3.9です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

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by alcyon | 映画観た
2022年06月12日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2022年31本目】映画「クライ・マッチョ」観ました。

【あらすじ】
ロデオ界の元スターのマイク・ミロ(クリント・イーストウッド)は、落馬事故をきっかけに家族とも別れ、
今は競走馬の種付けの仕事をしながら一人で暮らしている。
ある日、彼は元雇用主にメキシコにいる息子のラフォ(エドゥアルド・ミネット)を誘拐するよう頼まれ、単身メキシコに向かう。
マイクは少年ラフォと出会い、二人でテキサスを目指すが、その道のりは困難なものだった。

クリント・イーストウッドが監督と主演などを務め、N・リチャード・ナッシュの小説を原作に描くヒューマンドラマ。
落ちぶれた主人公が、少年と二人でメキシコを横断しながら心を通わせていく。
原作者のナッシュと『グラン・トリノ』などのニック・シェンクが脚本を担当し、
『ミリオンダラー・ベイビー』などのアルバート・S・ラディらが製作を手掛ける。
エドゥアルド・ミネットやナタリア・トラヴェンをはじめ、
カントリー歌手としても活動するドワイト・ヨーカムらが出演する。

【感想】
よく熟成された当たり年のワインのような、いい感じに枯れた味わいの作品。

ストーリーはシンプル。
落ちぶれた老人と、信じるモノを持たない少年の交流とその旅路、なんですが。
さすがイーストウッド、この手の作品はテリングが抜群にうまい!

演技、演出も極めてシンプル。
ちいさな事件を少しづつ重ね、本質的なもの、「答えと無知」へアプローチ。
これも実にうまい。

いいのか悪いのかわからなかったのは
・イーストウッドが実年齢以上にキレキレに動けること。
・ラブストーリー要素が歳不相応
な点でしょうか。

イーストウッド作品はこれからあと何本見れるのかわかりませんが、
いつまでも元気でいてもらいたいと願うばかりでした。

【評価点・つけるとしたら】
☆3.9です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

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by alcyon | 映画観た
2022年06月11日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2022年30本目】映画「コンフィデンスマンJP英雄編」観ました。

【あらすじ】
詐欺師の間で英雄としてたたえられていた三代目ツチノコが死去。
かつて、その下で詐欺のテクニックを磨いたダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)は、
一流の腕を持つ詐欺師にだけ受け継がれる「ツチノコ」の称号を得ようとする。
お互いの腹を探り合いながら、彼らはマルタ島のバレッタへ。
スペイン人の元マフィアが所有する幻の古代ギリシャ彫刻「踊るビーナス」を狙ってそれぞれ動き出すが、
警察とインターポールが捜査を始める。

長澤まさみ、東出昌大、小日向文世ら共演のドラマシリーズ「コンフィデンスマンJP」の劇場版第3弾。
マルタ島に乗り込んだ詐欺師のダー子たちが、元マフィアが所有する古代ギリシャ彫刻を狙う。
監督の田中亮、脚本の古沢良太をはじめ、小手伸也、広末涼子、石黒賢、生瀬勝久、江口洋介ら、シリーズを支えてきたスタッフ、キャストが結集する。
松重豊、瀬戸康史のほか、城田優、角野卓造らが本シリーズに初出演する。

【感想】
本当にこれが最後なのでしょうか。。。
だとすれば残念な痛快コメディ!

まずストーリー。
構成がきっちりしていて、伏線の貼り方、回収の仕方も良い意味でいつも通り。
信用詐欺騙し騙され、最終的な落とし所の大団円までリズムよく展開。
お話のスケール感も前回以上。
こういう連作物にありがちな「だんだんダレてくる」は一切感じませんでした。

演出、出演陣も的確な配置。
主だった出演者のキャラクターをアップスケールしつつ、新キャラをきっちり溶け込ませる手練感はさすが。
更にはもう出演できない演者をしっかりと確実に「出演させている」場面は、リスペクト全開で正直ウルっときました。

特に何も言うことはないのですが、強いて言うならマルタ島が馴染みが薄く、
もうちょっと地理的、経済的な説明があっても良かったかもです。

シリーズ最終と謳った今作ですが、全然裏切ってもらって良い、4作目があってもいいじゃないか、映画だもの、と感じました。

【評価点・つけるとしたら】
☆4.0です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

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伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た
2022年06月05日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2022年29本目】映画「シン・ウルトラマン」観ました。

【あらすじ】
謎の巨大生物「禍威獣(カイジュウ)」が次々に現れ、その存在が日常となった日本。
通常兵器が全く通用せず事態が長期化する中、政府は禍威獣対策の専従組織・通称「禍特対(カトクタイ)」を設立する。
田村君男(西島秀俊)を班長に、さまざまな分野のスペシャリストから成るメンバーが任務に当たる中、銀色の巨人が突如出現。
巨人対策のため、禍特対には分析官・浅見弘子(長澤まさみ)が新たに配属され、作戦立案担当官・神永新二(斎藤工)と組む。

1966年の放送開始以来親しまれている特撮ヒーロー「ウルトラマン」を、『シン・ゴジラ』などの庵野秀明が企画・脚本、樋口真嗣が監督を務め新たに映画化。
謎の巨大生物「禍威獣(カイジュウ)」が現れ危機に直面した現代の日本を舞台に、未知の存在であるウルトラマンが出現した世界を描く。
主人公を斎藤工、彼の相棒を長澤まさみ、
禍威獣対策組織のメンバーを西島秀俊、有岡大貴、早見あかり、田中哲司が演じるほか、
山本耕史、嶋田久作らが出演する。

【感想】
ウルトラマン現役世代です!
当然、初代ウルトラマンはまさにヒーローの原体験でした。

さてさてストーリー。
これは、原作のキャラを活かしつつも、やはりそこは庵野&樋口コンビ、現代を設定にアップデート。
インフラ問題や官僚組織の硬直化、政治の安易さなどへのアイロニーをしっかり物語にインストール。
結果的に等身大の、心を持つ存在としてのウルトラマンを見事に描き出していたと思います。

演出、キャストも豪華絢爛。
西島さんを始め日本映画を代表する重鎮が惜しげもなく登場。
その中でもメフィラス星人:山本耕史は(すっかり話題になていますが)堂々の怪演。まさかのキャリアハイかも。

少し難点があるとすれば、
・序盤の五分、早すぎ。物理的に速いため目も耳も追いつかず、結果、理解も置いてきぼり。
・長澤まさみさんのアレ、いる?いらなくない??

です。

人間はこの地に満ち溢れ、まるで万能の王のように傲慢なのに弱く、壊れやすい。
それでも、なお、愛おしく、守りたい存在でもある。

思ったより大きな構図の映画、総じて大変楽しめました。

【評価点・つけるとしたら】
☆3.9です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

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by alcyon | 映画観た
2022年06月04日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2022年28本目】映画「流浪の月」観ました。

【あらすじ】
雨の公園で、10歳の少女・家内更紗がびしょ濡れになっているのを目にした19歳の大学生・佐伯文。
更紗に傘を差し出した文は、引き取られている伯母の家に帰りたくないという彼女の気持ちを知り、自分の部屋に入れる。
そのまま更紗は文のもとで2か月を過ごし、そのことで文は誘拐犯として逮捕されてしまう。
被害女児、加害者というらく印を押された更紗と文は、15年後に思わぬ再会を果たす。

「2020年本屋大賞」で大賞を受賞した凪良ゆうの小説を原作にしたドラマ。
10歳の少女を自分の部屋に入れたために誘拐罪で逮捕された男が、15年後に成長した彼女と再会する。
メガホンを李相日。広瀬すず、松坂桃李らが出演する。

【感想】
ズッシリとな内蔵をえぐり、心を打ち砕きにくる!!!

まず原作は既読だったのですが、少し話の内容はうろ覚え、、。
重い話、だいたいこんなストーリだった、と記憶をたぐりながらの中鑑賞に望むことになりました。

まず脚本。
これは原作を最大限リスペクトしながら、少しずつディテールを味付け。
いくつかあのお話のラインを絞り込み、密度を上げる。
会話の間を活かし、セリフを際立たせる手法は李監督ならでは。

そしてキャスト。
はじめは、え、大学生役、松坂さん吹き替えなし??え、この役すずさん??と訝しんでいたのですが、
始まってしまえば、脇を固める横浜流星さん、多部未華子さんを含め、これしかないとしか言いようがない配役。
映画の中で確かに生きている、脈動を感じさせる演技、これはまさに鳥肌モノ。
さらには子役の演技は素晴らしいを超えて、もはや戦慄、、。
一体どれほどのバックストーリを持って臨んだのか、そのフィルムの外側、生きてきた様子までもを感じました。

ちょっとなあと思ったのは尺の長さ。
150分でしたが、少し長いな、と感じてしまった。
必要な長さなのでしょうが、それならもう少しリズムに緩急を入れても良いはず、、。

テーマはずっしりどころではなく重く、
後味の良い作品でもないですが、これは間違いなく今年を代表する日本映画。
このクオリティの高さが出せるか監督がいる、役者がいる、スタッフがいる。

一筋の明るさをエンドロールに観たような気がします。

【評価点・つけるとしたら】
☆4.2です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

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