こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2022年33本目】映画「護られなかった者たちへ」観ました。
東日本大震災から9年が経った宮城県の都市部で、
被害者の全身を縛った状態で放置して餓死させるむごたらしい連続殺人事件が起こる。
容疑者として捜査線上に浮かんだのは、知人を助けるために放火と傷害事件を起こし、刑期を終えて出所したばかりの利根(佐藤健)。
被害者二人からある共通項を見つけ出した宮城県警の刑事・笘篠(阿部寛)は、それをもとに利根を追い詰めていく。
やがて、被害者たちが餓死させられることになった驚くべき事件の真相が明らかになる。中山七里の小説を原作にしたミステリードラマ。
宮城県で発生した連続殺人事件の容疑者となった青年と、彼を追う刑事の姿から日本社会が抱える格差の実態を浮き彫りにする。
監督は瀬々敬久。
佐藤健、阿部寛のほか、清原果耶、倍賞美津子、吉岡秀隆、林遣都らが出演する。
【感想】
これだけの豪華キャストの中で、さらに輝く清原果耶!!
今回は原作小説は購入未読、いわゆる積読本の状態、さらっとストーリーを書評等で仕入れた状態での鑑賞。
まずストーリー。
これは正しく現代的大命題「分断」にメスを入れ。
震災、その後の生活再建問題と生活保護をモチーフに、丁寧に書き込まれた真摯な脚本であったと感じます。
二項対立になりがちなところもしっかり多面的に描かれており、より一層ことの重大さを感じることができました。
俳優陣も好演。
阿部寛さんの安定感、佐藤健さんの感情を絞り出すかのような表現、そして何より清原果耶さんの圧倒的支配力!
脇を固める俳優陣も的確な配役、イメージに合った演出は数多の作品を世に送り出してきた瀬々監督の手腕を証明していると感じます。
残念だったのは、
1 本筋である生活保護問題に対する深掘りがもうちょっとほしい。
2 割と早い段階で結末が見えてくる、つまりは回収が少し雑。
な点でしょうか。
「分断」。
経済的な分断のみならず、
そこには故郷を離れるざるえなったり、仕事のために家族と離れたりといった距離的分断。
震災の影響で精神状態が不安定になり、不幸にも生まれてしまった心の分断。
いろいろなフェーズがあり、誰もがその縁に立っているのが今の現実なのでしょう。
他者の立ち位置に思いを寄せる事の重要性を再認識する作品だったと思います。
【評価点・つけるとしたら】
☆3.9です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
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