こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2022年42本目】映画「リコリスピザ」観ました。
1973年、ハリウッド近郊のサンフェルナンド・バレー。
子役として活動する高校生のゲイリー・バレンタイン(クーパー・ホフマン)は、
ある日学校にやって来た写真技師アシスタントのアラナ・ケイン(アラナ・ハイム)に一目ぼれする。
「運命の出会いだ」と告白してくるゲイリーを、年上のアラナは相手にせず受け流す。
その後、食事をするなど共に過ごすうちに二人は距離を縮めるが、ふとしたことですれ違ったり、歩み寄ったりを繰り返していく。ポール・トーマス・アンダーソン監督による青春ドラマ。
1970年代のアメリカ、サンフェルナンド・バレーを舞台に、写真技師アシスタントの女性と男子高校生の恋の行方を描く。
3姉妹バンド「ハイム」のアラナ・ハイムと、フィリップ・シーモア・ホフマンの息子クーパー・ホフマンが主演を務め、
ショーン・ペン、トム・ウェイツ、ブラッドリー・クーパー、ベニー・サフディらが共演。
第94回アカデミー賞で作品賞を含む3部門にノミネートされた。
【感想】
「ビジネスパートナー以上、恋人未満」。
この不安定な関係を見事に映画化した、青春映画以上の青春映画。
まず脚本、ストーリー。
70年代、ロス、ボーイ・ミーツ・ガールという手堅い設定。
それを男女間の年齢差、キャリアの捉え方を軸にうまいことこじらせにこじらせ、
緩めたり崩したりしながらお話を推進していくのはさすがの手腕。
精密すぎる職人芸を味わえます。
そして演出、俳優陣。
「豪華で手堅いベテラン」と「フレッシュで危うい若手」を見事にミックス。
音楽も時代の雰囲気をきっちりと捉え、カメラワークもあたかもその時その場にいた、目撃者のような視点を持ち込んでいます。
何より秀逸なのは「走る」シーン。
どの走りにも別々の意味があり、別々の感情があり、そしていつも不格好。
ああ、そうだ、いつだて誰だって美しいわけじゃない。
青春が持つほろ苦さをこれもまた絶妙に表現していたように感じました。
強いて言うならですが
タイトルのリコリスピザ、レコード屋さんの名前らしいんですが、そのへんの意味がわかりにくい。
ロス近郊の地理がわからないとこれまた理解できないシーンが結構ある。
のはマイナスでしょうか。
それにしてもです。
16歳。何をしていただろう。
25歳。何を諦めずにいたのだろう。
もはや走ることの意味なんて健康維持ぐらいしかなくなってしまった日々に、
薄い甘みと強めの苦味を持ち込む、久々に芯を食った映画になりました。
【価点・つけるとしたら】
☆4.4です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
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