こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2022年51本目】映画「ブルー・バイユー」観ました。
【解説・あらすじ】
アントニオ(ジャスティン・チョン)は韓国で生まれ、3歳で養子としてアメリカに渡る。
その後彼はシングルマザーのキャシー(アリシア・ヴィキャンデル)と結婚し、娘のジェシーと3人でつつましく暮らしていた。
だが、ある日、警官ともめたアントニオが逮捕され、30年以上前の書類の不備によって移民局に引き渡された上に、
強制送還の危機にさらされる。ジャスティン・チョンが、監督や脚本などを手掛けたヒューマンドラマ。
幼いころに養子としてアメリカに連れて来られた韓国系アメリカ人の男性が、強制送還の危機に家族と共に立ち向かおうとする。
アリシア・ヴィキャンデル、のマーク・オブライエン、リン・ダン・ファンらが共演。
【感想】
法律が、差別が、家族を引き裂いていく。最後のセリフ、叫びに心が砕ける音がしました。。。
まず脚本、ストーリーについて。
わざわざクレジットには出てきませんが、これぞまさに”based on true story”。
綿密な取材をもとにしたであろう幾多のストーリーを、
一人の「アメリカ人男性」を通じて重層的に描き出しています。
シングルマザーとその子供の葛藤。
命の灯火、最後まで生き抜くことへの渇望。
移民と難民の置かれた立場の微妙な違い。
そして、人種差別。
社会問題を提起する、重厚になってしまうことを厭わない、なりふり構わぬ姿勢には圧倒されました。
そして演出、演技。
作りは極めてオーソドックスで、起承転結、それぞれの物語をきっちり追っていくことに徹していました。
そのためでしょう、セリフの、表情の陰影がクッキリとしていて、グイグイ感情移入できました。
また、どのキャラクターにも「善悪」のグラディエーションがあり、しっかりとした奥行きも感じます。
特筆すべきは子役の絶妙な可愛さ。
この愛おしさが最後の最後までストーリーを支えていく様は圧巻だったと感じます。
さて。
まず倫理良心、そこで贖えない部分を法が救済する。
僕はそうあるべきだと思っています。
翻って、今作。
差別が社会を崩し、法が家族を切り裂いていく。
多様性はユートピア、
果たしてアメリカ社会の映画なのか。
まるでこの世界のすべてのようではないか。
「ブルー・バイユー」とは劇中の回想シーンで出てくる「青い小川」のことだそうです。
ラストシーンの父性、小川のシーンの母性。
流れていたのは愛おしさ、それとも憎しみだったのか。
どちらも辛い展開ですが、受け止め、立ち止まり、
今一度良心の置所、倫理の住所を考える必要があると思いました。
【価点・つけるとしたら】
☆4.5です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
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