こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2022年64本目】映画「マイブロークンマリコ」観ました。
【解説・あらすじ】
気の晴れない日々を送るOL・シイノトモヨ(永野芽郁)は、親友・イカガワマリコ(奈緒)が亡くなったことをテレビのニュースで知る。
マリコは子供のころから実の父親(尾美としのり)にひどい虐待を受けており、そんな親友の魂を救いたいと、シイノはマリコの遺骨を奪うことを決断。
マリコの実家を訪ね、遺骨を奪い逃走したシイノは、親友との思い出を胸に旅に出る。解説: 文化庁メディア芸術祭マンガ部門で新人賞に輝いた平庫ワカのコミックを映画化。
長年にわたり父親から虐待されていた親友の死を知った女性が、遺族から遺骨を奪って旅に出る。
タナダユキがメガホンを取り、向井康介が共同で脚本を担当。
主人公を永野芽郁、亡き親友を奈緒が演じるほか、窪田正孝、尾美としのり、吉田羊らが共演する。
【感想】
抱えきれない喪失感を、それでも抱えて生きてゆく。
それが不毛でも無意味でもないことを教えてくれる紛れもない名作!
まず脚本。
これは原作ありき、既読の状態で鑑賞したのですが、まずまずの再現性。
そんなに長編の原作ではないので肉付けの塩梅が難しいはずなんですが足されたシーンも引かれたシーンも、まさにいい塩梅。
散漫さだったり、目に余る隙はないのでストーリーに集中できました。
次に演出、演技。
演出は脚本同様、原作の世界観を忠実に守りつつ、「喪失感」の部分をきっちり強調。
ただなぞるばかりではないという制作陣の矜持を強く感じる作り。
演技、俳優はこれぞベストなキャスティング。
日本映画の若手女優層はかなり分厚く、主人公役は適任が他にも考えられる昨今なのですが。
あえて永野芽郁に預けた。彼女は受けた。非常に野心的で好感が持てました。
さらに窪田正孝の「静」の演技は変えの演技の幅を感じさせられました。
さらにさらに奈緒。
こんなに壊れた、これ以上のマリコは存在しない。
今後本人の意向はともかく、この手の役は彼女の席になるのでは思うほどの表現力。
映画を支配していたのは紛れもなく彼女。
これは大発見でした。
強いて難点をいえば、
・永野芽郁、やっぱりやさぐれきれず。また叫ぶ演技のテンションに幅がない。
・もうちょっと海までの距離感とか、ロケーションの見せ方があった。
・モノローグ、ちょっと多い。。もっと観客を信じて削っても良かった。
といったところでしょうか。
さてです。
個人的な話にはなりますが、本当に先日、「名前も顔も覚えていない同級生」が先にいってしまい。
なぜかとても悲しく苦しく、喪失感を感じ、言葉を振り絞ったら出てきたのは「ごめんなさい」でした。
何故そんな言葉が出たのかとずっと考えていて、その中での鑑賞だったのです。
その人を忘れない。思い出の中に生かしておく。それがあとに残されたものが生きていく意味。
書いてしまえばシンプルだが、忘れることを受け入れなきゃいけないのもまた真実のような気がします。
ただそれでも、忘れてしまっていて、きっと話したことも、一緒にご飯を食べたこともあるはずなのに忘れてしまっていて。
思い出の中で友人を生かしていなかったことに「ごめんなさい」だったのかな、、。
そりゃあ、大作でもなければエンタメでもない。
粗もあるだろうしもっと別の手法があったのかもしれない。
それでもこれは僕にとっては特別な映画。
もちろんおすすめです!
【価点・つけるとしたら】
☆4.1です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
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