こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2022年68本目】映画「窓辺にて」観ました。
【解説・あらすじ】
フリーライターの市川茂巳(稲垣吾郎)は、編集者の妻・紗衣が売れっ子小説家と浮気していることを知りながら、妻にそれを指摘できずにいた。
それだけでなく、彼は浮気を知ったときに芽生えた自身の感情についても悩んでいた。
ある日、文学賞を受賞した女子高校生作家・久保留亜の小説に心を動かされた茂巳は、留亜に小説のモデルについて尋ねる。稲垣吾郎が主演を務め、好きという感情について描いたラブストーリー。
妻の浮気を知りながら何も言い出せないフリーライターが、自身に芽生えたある感情に悩む。
監督は今泉力哉が務め、本作のために脚本も書き下ろした。
【感想】
今泉力哉の研ぎ澄まされた映画文法が観客を独特の「映画体験」に誘う。
今どき珍しくなってしまったオリジナル脚本による力作!
まず、脚本、構成。
夫婦の形をモチーフにしたコミニュケーションの問題。
その理解しがたさ、面倒臭さを否定も肯定もせず、ありのままに取り出す手法。
これはシンプルだからこそ、の高難易度。
よくチャレンジしているし、成功もしていると感じました。
そして演出。
愛情の深さや広さ、その業の深さをキャストの数をしっかり絞りってテーマを浮き彫りに。
少ないセリフや無言の表現、窓辺での光のシーン、ギリギリまで削ぎ落とした劇伴で物語を加速させ。
最近の映画にしては長い尺(140分)を十分に活かして、余白を作っていく。
感情の起伏を大きくつけず、日常を切り取ったかの手法。
ありがちなのですが今泉監督の手にかかるとじわじわ胸の奥にしみる。
またいわゆる「消え物」、今作ではパフェとかにも大きな意味を持たせているのですが、
象徴的すぎないように工夫もされていて、これもまた今泉イズムを感じました。
俳優陣で特筆に感じたのはやはり若葉竜也さん。
今泉ファミリー、ですが毎回違う側面をしっかり表現してくるところはさすが。
中村ゆりさんは昔からファンなのですが、抑えた演技は円熟のラインに入ってきたように感じます。
惜しいと思ったところは次の2点。
・稲垣さんはもっとやれた。もっと作品にダイブさせても良かった。
・全体のトーンにあってない俳優さんがちらほらいた。
人の感情は複雑とも言えるし、意外なほどシンプルとも言える。
行動は思ったより直落的ともいえるし、思考の深みが足を止めることもある。
いずれにしてもコミュニケーション、互いに手をつなぐことはそれほど容易いことではない。
だからこそ人は、僕は、求めてやまないのだなという解答が詰まった作品。
正直、
恋人同士も熟年夫婦も一緒に見ることは全くおすすめしませんが、
別々に観に行く分には、これは大変オススメです!
【価点・つけるとしたら】
☆4.0です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
↓お読みいただきありがとうございました。宜しければぜひぜひコメント・クリックをお願い致します↓
分