こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2022年76本目】映画「ある男」観ました。
【解説・あらすじ】
弁護士の城戸章良(妻夫木聡)は、かつての依頼者である谷口里枝(安藤サクラ)から亡き夫・大祐(窪田正孝)の身元調査を依頼される。
離婚歴のある彼女は子供と共に戻った故郷で大祐と出会い、彼と再婚して幸せな家庭を築いていたが、大祐が不慮の事故で急死。
その法要で、疎遠になっていた大祐の兄・恭一(眞島秀和)が遺影を見て大祐ではないと告げたことで、夫が全くの別人であることが判明したのだった。
章良は大祐と称していた男の素性を追う中、他人として生きた男への複雑な思いを募らせていく。平野啓一郎の小説を映画化。
死後に別人と判明した男の身元調査を依頼された弁護士が、他人として生きた男の真実を追う。
監督は石川慶、脚本は向井康介が担当。
主人公を妻夫木聡、彼に調査を依頼する女性を安藤サクラ、
彼女の亡き夫を窪田正孝が演じるほか、眞島秀和、仲野太賀、真木よう子、柄本明らが共演する。
【感想】
変えたかったのは過去なのか、未来なのか。
生きたかったのか、それとも死にたかったのか。
人生の視え方が変わる120分!
まずはストーリー、脚本。
原作は未読なんですが、相当練り込まれた感のある台詞回し。
なるべくムダを排し、説明ゼリフも最低限、ト書きに力点を置き、テコを利かす。
社会性の強い、神経質になってしまうシーンもきっちり描写。
差別や偏見という根源的命題に真正面から切り込む姿勢。
映画を信じメッセージを発信する、その心意気を強く感じました。
そして演出、俳優陣。
一見サスペンスの型を借りつつも、主題はそこにあらず。
あくまでも人間ドラマに主眼を置き、謎解きに走らない点は実に上手い。
俳優陣もどれもこれもハマり役。
安藤サクラの母性。
窪田正孝の芯のある優しさ。
妻夫木聡の葛藤。
料理に例えるならいずれもギリギリの火の通し加減!
柄本明の怪物ぶり。
真木よう子の色香。
そして何より
仲野太賀と清野菜名。
実直すぎる二人の関係性は間違いなく今作の主題の一つ。
更に子役陣の深み、サイドストーリーを固める俳優陣の豪華さは群を抜いています。
さてさて。
仮に取り替え可能な人生がああったとしても、時間だけは不可逆で、過去には戻れない。
完全な上書きなどありえず、いつだって人は大切な思い出を糧に前へ、前へと向かっていく。
だからこそ今を確かに生きることが大切。
だからこそ目の前の人を愛することが大切。
オフビートで灰色が基調の映画ではありましたが、様々な形の愛が詰まった映画であったと思います。
【価点・つけるとしたら】
☆4.1です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
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