こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2023年10本目】映画「そして僕は途方に暮れる」観ました。
【解説・あらすじ】
自堕落な生活を送るフリーターの菅原裕一(藤ヶ谷太輔)は、長年共に暮らしている恋人・鈴木里美(前田敦子)とふとしたことで口論になり、話し合うこともせず家を飛び出してしまう。
それ以来親友、学生時代の先輩や後輩、姉、母のもとを渡り歩く彼は、気まずくなるとそこから逃げ出し、あらゆる人間関係から逃げ続けていく。
行き場をなくして途方に暮れる裕一は、かつて家族から逃げた父・浩二(豊川悦司)と10年ぶりに再会する三浦大輔が作・演出、藤ヶ谷太輔主演により2018年に上演された舞台を、三浦自身が映画化。
ささいなきっかけから恋人や親友、家族などあらゆる人間関係を断ち切ろうとする青年の逃避行を描く。
主演の藤ヶ谷をはじめ、前田敦子と中尾明慶が舞台版から続投し、
映画版新キャストとして毎熊克哉と野村周平、香里奈、原田美枝子、豊川悦司らが出演する。
【感想】
逃げて逃げて逃げ続ける。果たしてそれは本当に悪いことなのか。鬱屈した社会に波紋を呼ぶ怪作!
まずストーリー、脚本について。
舞台が原作、これは観れてはいないのですが、映画らしい設定に難なくチューニングされています。
このあたりは数々の自作舞台の映画化を手掛けた三浦監督の手腕が光ります。
人物の描写の書き込みはやや細かめ。
キャラははっきりくっきりしていてわかりやすい設計。
展開も無理がなストーリーに没入しやすい、間口の広い脚本でした。
細かな伏線も結構あり!
そして演出、演技。
小道具の一つ一つにまでこだわり、細かな動きでストーリーの闇を演出。
俳優陣もセリフだけに頼らず、表情や仕草、歩くスピードやちょっとした視線も駆使した演技。
キャスティングも絶妙、これはエンジェルフィットと行って良いレベル。
舞台版からの続投がハマっていのではないでしょうか。
特筆すべきはやはり藤ヶ谷さん。
徐々に顔色すら変わっていく。
役作りに対するちょっとした狂気も感じました。
ちょっとここは、、、と感じたのは以下の点。
・全く回収してないプロットがある。わざと放置したのか、だとしても雑。
・最後のオチ、ちょっとミエミエ。
・そもそもタイトル、「途方に暮れる」がストーリーに合ってない。
といったところでしょうか。
さてさて。
逃げることはやはりネガティブなイメージ。
成長こそが価値、とするならば唾棄すべき行為なのかもしれません。
しかしながら自分を守る、その一点においては必要な技術とも感じます。
心の闇は誰しも持っている。
その先には社会の闇がある。
消極的逃避が積極的逃避に変わるとき、ちょっとは光が見えるかも。
面白くなってきたぜと言えるくらいがちょうどよいのかなと感じさせてくれる作品でした。
【価点・つけるとしたら】
☆3.9です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
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