こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2023年21本目】映画「ベネデッタ」観ました。
【解説・あらすじ】
17世紀、現在のイタリア・トスカーナ地方にあたるペシアの町。幼いころから聖母マリアと対話し、
奇跡を起こすとうわさされていたベネデッタは、6歳でテアティノ修道院に入る。
ある日、彼女は修道院に逃げてきた若い女性バルトロメアを助け、
やがて二人は秘密の関係を結ぶようになるが、
ベネデッタが新しい修道院長に就任したことで波紋が広がっていく。「ルネサンス修道女物語 聖と性のミクロストリア」を原案に、17世紀に実在した修道女ベネデッタ・カルリーニを描くサスペンス。
幼くしてカトリック教会の修道女となった女性が、聖痕や奇跡によって人々にあがめられる一方、同性愛の罪で裁判にかけられる。
監督などを務めるのはポール・ヴァーホーヴェン。
ヴィルジニー・エフィラ、ダフネ・パタキアのほか、シャーロット・ランプリング、ランベール・ウィルソンらが出演する。0
【感想】
信仰の奇跡と悪の病理が交錯する、意欲作かつ問題作!
まずストーリー。
宗教の持つ神秘性と欺瞞、現在も過去も変わらぬ自然の驚異への畏怖、科学の限界。
これらを絶妙にブレンドし、監督の作家性というスパイスでじっくり煮込み。
切れ味抜群、推進力の強い、脚本です。
グイグイ引き込まれ、17世紀の世界観が実像を持って感じられます。
そして演出だったり演技だったり。
映像は極めて絵画的。
重厚な宗教画を実写化して動かすときっとこんな感じ。
演出は信仰する「人」、人間に焦点をビシッとあわせ。
生々しく欲望や性、信仰心の純粋さと嘘くささをこれでもかっ!と観客の前にさらけ出す。
俳優陣の的確な演技も含め、渾身の出来栄えです。
ただ、ところどころ、
「あれ、ちょっと無駄じゃないこのシーン?」
「え、そこ省略するの?」
といった、わかりやすさとわかりずらさが混在し、結果映画自体が長く感じたのは否めませんでした。
さて。
何かを信じること。
誰かを信じること。
が宗教であれ、人、例えば親族友人であれ、その事自体は美しいこと。
そこに欲望や恐怖が介入すると一気に「人間臭く」なる。
当作品ではペスト(黒死病)をモチーフにしていますが、流行病に翻弄されるのは今も変わらず。
果たして人間らしさは「救い」の手段足りうるのか。
非常に示唆に富んだ作品だったと思います。
【価点・つけるとしたら】
☆4.0です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
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