こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2023年29本目】映画「ロストケア」観ました。
【解説・あらすじ】
ある民家で老人と介護士の死体が発見され、死亡した介護士と同じ訪問介護センターで働く斯波宗典(松山ケンイチ)が捜査線上に浮かぶ。
彼は献身的な介護士として利用者家族からの評判も良かったが、検事の大友秀美(長澤まさみ)は斯波が勤める施設で老人の死亡率が異様に高いことに気付く。
そこで何が起きているのか、真相を明らかにすべく奔走する彼女に、斯波は老人たちを殺したのではなく救ったのだと主張する。
彼の言説を前に、大友は動揺する。葉真中顕の日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作を映画化。
老人介護の現場で起きた連続殺人事件をめぐり、検事が事件の真相に迫る。
前田哲がメガホンを取り、龍居由佳里が脚本を担当。
殺人を犯した介護士を松山ケンイチ、彼と向き合う検事を長澤まさみが演じる。
【感想】
これはもはやフィクションにあらず。
誰にでも起こりうる映画の外側、現実の物語。
まずストーリー、脚本。
タイトルや予告、そこから想起されるのはシリアルサイコキラーの物語mかなと思っていたのですが、、。
ちょっと予想外の展開。
わずか2時間弱の尺の中に現実社会の歪、
例えば経済格差やセーフティーネットの不備といった普段目をつぶってしまっている問題をぎっちり詰め込み。
それでいて過剰に感じないバランスの良さはさすがでした。
そして、演出、演技。
これがまた凄まじい。
一応松山ケンイチさんと長澤まさみさんのダブル主演ということにはなっていますが、
松山さん、演技の突き抜けぶり、ちょっともう、ステージが違う。
喜怒哀楽、その隙間の感情も細かく表現していく細かな動き。
見方、見る人によってはどうとも取れるような絶妙の表情。
役に思いを込めたからこそ発せられる狂気は、今回重要な役で出演されたあの柄本明さんの上を行く。
これだけでも必見です。
さて。
物語は重く、暗く、希望を見出すのが難しい、心を削がれるものだったのですが。
一方現実には同じような状況、あるいはもっと悲惨な状況がすでにあり、
それは全く他人事ではなく、明日、いや、今日にも我が身の問題なのです。
わかっているのに目をつぶっている。
わかっているのに考えない。
わかっているのに手を差し伸べない。
わかっているのに。
わかっているのに。。
主人公斯波を断罪する、そんなこと欺瞞に満ちた僕は、社会は本当にできるのだろうか。
深く深く心に刺さる、大きな棘のような作品だったと感じています。
【価点・つけるとしたら】
☆4.5です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
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