こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2023年44本目】映画「怪物」観ました。
【解説・あらすじ】
息子を愛するシングルマザーや生徒思いの教師、元気な子供たちなどが暮らす、大きな湖のある郊外の町。
どこにでもあるような子供同士のけんかが、互いの主張の食い違いから周囲を巻き込み、メディアで取り上げられる。
そしてある嵐の朝、子供たちが突然姿を消してしまう。是枝裕和が監督を務め、脚本を坂元裕二、音楽を坂本龍一が担当したサスペンス。
けんかをした子供たちの食い違う主張をきっかけに、社会やメディアを巻き込む騒動が起こる。
安藤サクラや永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、田中裕子などが出演する。
【感想】
旧態依然とした、リノベーションされない社会を鮮やかに嘲笑う、新しきジュブナイル映画!
まず脚本、ストーリー。
これはまさしく、This is “坂本裕二”!!!!
セリフのワードチョイスも素晴らしいのですが。
なにより3部構成にした意味の持たせ方、
一つ一つのプロットの書き込み、
そしてなにより「これは是枝作品である」ということを意識したプロフェッショナルなバランス感覚、引き算。
普段は自分で脚本を書くことが多い是枝監督作品ですが、あえて脚本家を迎える、これは当たりでしょう。
そして演技や演出。
安藤サクラを筆頭に「大物」揃いの本作。
おそらく演技プラン、特に佇まいのような静的なアプローチは本人任せの部分も多かったのではと想像します。
二面性が全員に求められる中、永山瑛太も田中裕子ももうこの人しかいなかっただろうという、
非常にフィット感のあるキャスティングも素晴らしい。
そしてこの日本映画フル代表をあっさり超えてくる、子役二人。
言葉の一つ一つ、目線の泳がせ方、歩く歩幅、自転車のスピードに至るまで、
瑞々しさ、粒立ち、申し分なさすぎ。
末恐ろしいとはこのことなのだと感じました。
先にちょっとここはと思った点は、、
・明らかに意識しているモチーフ作品があり、結果「サービスショット」がすぎる
・ラストシーンの前、ある演出があるのだけれど、あれ「いらない」!!!
の二点。
これはちょっと観易さを意識しすぎたのかなと勘ぐりたくなりました。
さてさて。
この作品、ついつい怪物が「誰か」をさがしてしまうのですが、、、。
ただしこれはやはりミステリー映画ではなかった。
生きていれば。
誰かを言葉で、
暴力で、
無関心で、
事勿れで、
我が身可愛さで
気づけてしまうことはきっと不可避。
それでも僕らは誰かを愛し、知り合おうとすることを止めることはない。
お話の中心点で、二人の少年は見事なまでに演じきってみせた。
坂本龍一の曲でさえ、その二人の眼差しの前では霞んだ。
今日、このタイミングで観ることに非常に意味のある作品だったと思います。
【評価・つけるとすれば】
4.2です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
↓お読みいただきありがとうございました。宜しければぜひぜひコメント・クリックをお願い致します↓
分