こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2023年49本目】映画「クロース」観ました。
【解説・あらすじ】
ルーカス・ドン監督による青春ドラマ。
13歳の少年同士の関係を映し出す。
エデン・ダンブリン、グスタフ・ドゥ・ワールのほか、エミリー・ドゥケンヌらがキャストに名を連ねる。
第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門グランプリに輝き、第80回ゴールデン・グローブ賞非英語作品賞にもノミネートされた。親友同士である13歳のレオ(エデン・ダンブリン)とレミ(グスタフ・ドゥ・ワール)は、学校でもプライベートでも行動を常に共にしていた。
だがある日、あまりにも親密すぎることをクラスメートにからかわれたことから、レオはレミへの接し方に戸惑い、彼についそっけない態度をとってしまう。
二人の仲は次第にぎくしゃくしていき、ささいなことで大げんかになる。【感想】
再生とはなにか。時間の不可逆性を真正面から受け止めた大きな真実の物語。まずストーリー。
思春期、その中でも特別に多感なローティーンの時期に起きる事件。
悪く言えばよくある使い古されたテーマ。
作品に仕上げるのは至難なはず。
そんな大きな課題に対し、説明セリフをギリギリまで省き映像で見せきる、
極限まで研ぎ澄ました脚本で挑んでいます。
その結果、「よくある、あの感じ」とは到底言えない、芯を食う作品に仕上がっていました。そして演出だったり、演技だったり。
これはまず、二人の子役、その恐ろしき表現力に全振りで賭けた監督の胆力に恐れ入りました。
なんせすごい。ともかくすごい。
表情、体の張り方、視線の泳がせ方、感情の溢れさせ方、抑え方、、、。
もちろん細かな演出があったのかもしれませんが、お構いなしの才能の発露。
映像に押え切るだけでも至難、よくぞ撮りきったといえるでしょう。さたさて。
幼き頃の葛藤や悩み、無垢であるがゆえの残酷さはやはり思い当たる節もあって。
「あの時ああしていれば」はやはりつきまとうのだけれど、、。
そんな後悔の気持ちでさえも時間とともに薄れ、最後には壊れてしまう。ネタバレになりますが今作では痛ましい事件が起こります。
凡百のパターンなら、悲しみからの再生を描くはず。
しかし監督はその結論を選ばなかった。
時間の不可逆性と真正面から向き合った。
一つ一つのシーンに込められた、贖罪という言葉では収まりきれない監督の気持ち。
観終わったあとの押しつぶされそうな、僕の気持ち。
美しいばかりが過去ではないこと、許されるばかりが罪ではないことを世に知らしめる、美しすぎる作品だったと思います。【評価・つけるとすれば】
4.3です。ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!ですもちろん「オススメ☆」です♪
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