こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2023年65本目】映画「アリスとテレスのまぼろし工場」観ました。
【解説・あらすじ】
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』シリーズの脚本などを手掛けてきた岡田麿里が2作目の監督を務めるアニメーション。
製鉄所の爆発事故により全ての出口を失い、時間が止まった町で、少年少女たちの恋する衝動が閉じられた世界を動かしていく。
ボイスキャストは榎木淳弥、上田麗奈、久野美咲など。
アニメーション制作をMAPPA、主題歌を中島みゆきが担当する。製鉄所で爆発事故が起き、全ての出口を失った上に、時が止まってしまった町。
そこで暮らす人々は、いつかもとに戻るために変化することを禁じられていた。
中学3年生の正宗はミステリアスな同級生の睦実に導かれ、製鉄所の第五高炉にやってくる。
そこにはしゃべることのできない、狼のような少女がいた。
正宗と二人の少女によって、均衡を保っていた日常が崩れ始める。
【感想】
閉塞と解放。どちらも愛おしい、純度の高い物語。
まずストーリー。
時間が止まった街。
ほぼ山に囲まれた盆地という閉ざされた空間。
発展もしなければ交代もしない人間関係。
それでも否応がなく成長してしまう自我と体格。
この難しい設定を「秩父」というもはやアニメの聖地を活かし切って描ききる。
緻密さも大胆さも併せ持つ、さすがの岡田脚本を堪能できます。
そして演出、映像。
象徴としての「工場」、この神々しさ。
声優陣の声、息づかいは振り絞るような切なさ。
キャラクターの視線で表現していく感情の豊かさ。
どれをとってもアニメでしか表現できないことを突き詰めています。
覚悟の決まった、ある種狂気じみたスタッフワークには感嘆、いやちょっとした戦慄すら感じました。
さて。
「青春」とは「キラキラしたもの。汗と涙の結晶。」なんてものはまさしく「まぼろし」で。
鬱屈もするし、絶望も感じるし、時間だけが過ぎていくのもまた「あの日々」。
その上恋をすれば。
傷つき、痛み、悩み、苦しむ。
思えばあの頃。
時間なんか無限にあると思っていた。
この喜びが永遠に続くと思っていた。
この悲しみは癒やされないと思っていた。
それでも、前に進む、進んでしまう日々。
等身大の若さを生身にさらけ出した今作。
岡田監督渾身のジュブナイル。
出会えてよかった作品でした。
【評価・つけるとすれば】
4.0です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
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