こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2023年74本目】映画「月」観ました。
辺見庸の小説「月」を実写化したドラマ。
重度障害者施設で働く元作家の女性が、同僚の男性が抱く正義感や使命感が思わぬ形で変容していく様子を目の当たりにする。
メガホンを取るのは石井裕也。
宮沢りえ、磯村勇斗、長井恵里のほか、高畑淳子、二階堂ふみ、オダギリジョーらが出演する。堂島洋子(宮沢りえ)は、作家として成功を収めていたがスランプに陥ったことを機に重度障害者施設で働き出す。
陽子(二階堂ふみ)、さとくん(磯村勇斗)といった同僚と共に入所者たちの対応にあたる洋子は、自分と生年月日が一緒の入居者きーちゃんと親身になっていく。
そんな中、ほかの職員による入所者への冷淡な扱いや暴力を知ったさとくんが、自身の抱く正義感や使命感を増幅させるあまりに、ある行動に走る。
【感想】
「本当のところ、どう思ってる?。」人間の業、その罪をあぶりだす問題作!
まず脚本、ストーリー。
ある事件がモチーフなのは明らか。
命の重さについて幾つかの視点で鋭く抉っていく。
モノローグを多用し、執拗に迫るのは監督の執念を感じる作り。
覚悟を感じる硬質なストーリーです。
次に演出、演技。
観客の思考、モラルを「ある混乱」に導くことがおそらくは狙いで、まずは成功。
暗い、ほぼ真っ暗な夜シーンと薄曇りな日中の2パターンで構成される絵作りも作品の方向性をしっかり示している。
俳優陣も好演。
宮沢りえさん、オダギリジョーさんを配役できた時点で作品の質の担保はまず成功。
磯村勇斗さんは演技の幅がより広がっていて、もう日本映画には欠かせない存在。
見応えは十分です。
しかしながら、、。
脚本は言葉数が多く、過剰に感じる。脚本としては正直褒められない。
前半の絵作り、ちょっと作品の質とは違う、ノイズに感じる。
演出、演技も一部、仰々しい。リアリティトの乖離はあってもいいが、ありすぎても見づらい。
そもそも現実の介護士へのリスペクト、これでいいのかと感じざる得ない。
など問題点も感じました。
さて。
やはり考えるのは、思い出すのだすのはあの事件。
1ミリたりとも心を寄せることはできないが、でも忘れている、目を背けていのもまた事実。
良心、モラル、道徳、倫理。
言葉は様々あるけれど、どの枠を以てしても上滑りしてしまう現実の醜さ。
他人事ではない、負のループ。
自分を晒される映画だったとは思います。
【評価・つけるとすれば】
3.7です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
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