こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2023年79本目】映画「愛にイナズマ」観ました。
【解説・あらすじ】
松岡茉優と窪田正孝を主演に、石井裕也がメガホンを取った人間ドラマ。
念願の映画監督デビューを目前に大切な夢を奪われた女性が、疎遠だった家族の力を借りて理不尽な社会に立ち向かう。
ヒロインの反撃に巻き込まれる家族を池松壮亮、若葉竜也、佐藤浩市が演じるほか、MEGUMI、三浦貴大らが共演する。26歳の折村花子(松岡茉優)は幼少時から夢見ていた映画監督デビューを控える中、
空気は読めないが魅力的な男性・舘正夫(窪田正孝)と運命的な出会いを果たす。
人生に明るい兆しが見え始めた矢先、彼女は無責任なプロデューサー(MEGUMI)にだまされ、報酬をもらえないまま企画を奪われる。
卑劣な仕打ちに打ちのめされる花子だったが、正夫に励まされ、大切な夢を奪った理不尽な社会への反撃を誓う。
そして正夫と共に、長らく疎遠だった父(佐藤浩市)と兄たち(池松壮亮、若葉竜也)のもとを訪れる。
【感想】
「演技力日本代表」が冷淡な世に「愛と真実」を問う、渾身の会話劇!
まずストーリー。
まずは「恋愛」を皮切りに隣人愛、兄弟愛、親子愛、、と様々な愛の形を同心円的に膨らましていく。
手法としてはよくあるあの手、ではあるのですが。
会話、台詞の一つ一つが丁寧で、クッキリしていて、必ず回収される。
同心円的、その拡大するスピードがきっちり観客の予想を超えていく。
さまざまモチーフをちりばめながら、一つ一つの意味をぼやかさない。
これだけの役者陣、陣容なら必ず成し遂げられると信じ切った。
チーム石井裕也の真骨頂を感じることができます。
そして演出、演技。
まずはそのグレートすぎる俳優陣!
よくぞ集結したと感じるばかり。
松岡茉優さんが感情表現豊か、切れ味鋭い台詞回しでリードをとる。
窪田正孝さんがオフビートで骨格を支える。
池松壮亮さんと若葉竜也さんが感情の低いところから高いところまでメロディーを回す。
佐藤浩市さんは若い俳優陣をしっかり支えつつ、時に炸裂する。
まるで、バンドが再結成したときのような、熟練と新鮮を併せ持つ演技合戦には魅了されっぱなし。
これだけでも必見です。
脇を固める俳優陣、MEGIMIさん、三浦さん、仲野太賀さん、中野秀雄さん(仲野太賀さん実父。サービス台詞も泣かせる!!)
にもそれぞれ見せ場あり、個性豊か、色とりどりな印象も楽しめます。
さて。
今作のテーマは紛れもなく「愛」と「真実」。
日々生活に塗れてると、嘘や不誠実に慣れきって、冷笑気味に生きていた方が楽。
「日常ってそんなもんでしょ。」
確かにそうだとは思うのですが、それでもやはり
「いやいや、ちがうでしょう」
と思う瞬間だってこれもまた数多に訪れる。
今作では「赤」と「イナズマ」がメタになっていますが、
僕は
「赤=血の色=人間=愛」
「イナズマ=一瞬=真実を照らし出す」
と解釈しました。
そんな一瞬じゃなくて、もっとじっくり味わいたい。
そんな気持ちにさせてくれる濃密な物語。
よくぞ、世に出してくれたと感謝の気持ちさえ感じる一本でした。
【評価・つけるとすれば】
4.2です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
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