こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2024年14本目】映画「夜明けのすべて」観ました。
瀬尾まいこの小説を映画化。
瀬尾自身のパニック障害の経験を基に、人には理解されにくい疾患を抱え、生きづらさを感じながら生きる男女の交流を描く。
三宅唱が監督・脚本、和田清人が三宅監督と共同で脚本を担当。
パニック障害を患う男性を松村北斗、PMS(月経前症候群)の影響でイライラしがちな女性を上白石萌音が演じる。月に1度、PMS(月経前症候群)の影響で激しいイライラを感じてしまう藤沢美紗(上白石萌音)は、
転職してきたばかりの同僚・山添孝俊(松村北斗)のささいな行動をきっかけに、ストレスを爆発させてしまう。
その後美紗は、やる気がなさそうに見える孝俊が実はパニック障害を患っており、生きがいや気力も失っていることを知る。
互いの事情を知った二人は職場の人たちの理解に支えられながら、同志のような関係を築いていく。
【感想】
夜を越える苦しみを、純粋な優しさで解かしてゆく。
2024年を代表する日本映画の頂点的傑作ヒューマンドラマ!
まずストーりだったり脚本だったり。
台詞の一つ一つが粒立っていて、染み渡る。
ト書きの繊細さがひしひしと伝わる。
それでいてあくまでも日常の風景をきっちり描写、逸脱しない。
見事すぎるバランスの脚本でした。
そして演出だったり演技だったり。
なにしろ見逃していいシーンが一つもない。
部屋の風景、公園のトンネル、社内の給湯室。
小道具の配置、光の見せ方、雨にぬれたアスファルトの情景。
どれもこれもさりげないのだけど、きっちりと意味がある。
これほど心象描写にこだわった画作りも珍しく、貴重。
さらには俳優陣の演技。
松村さん、上白石さんをはじめ、全キャスト突き抜けた素晴らしさ。
ギリギリまで抑えた台詞回で生活感をきっちり演技。
顔のしわ一本まで意識した表情。
どこまで深く役作りしたのか、サイドストーリーを伝えきる、静かな熱量。
とりわけ脇を固める光石研さん、渋川清彦さんの悲しみをこらえきった微笑み。
どれほどの悲しみを押し込めたら、こんなに優しくなれるんだろうか。。。
これだけでもう映画の価値は十分すぎる。
奇跡のようなキャスティング、皆さんよくぞそれぞれの役を生きてくれたと感謝の気持ちがわきました。
さて。
きっと誰しもが、何らかの苦しみを抱えていて。
悲しみは深く、夜明けはいつだって遠い。
夜が、怖い。
そんな日々でも、誰かが必ず見ていてくれる。
僕があなたが互いに支え合う。
あなたを知りたいと思う気持ちが夜明けを連れてきてくれる。
ラストシーン、キャッチボール、少し乱れる、笑顔で拾いに行く。
僕もそんな人になりたい。
そんな仲間と共に過ごしたい。
心の中心にしっかりと置いておきたい、とても大切な映画になりました。
【評価・つけるとすれば】
4.5です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
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