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アルシオン通信

Alcyon Blog

2024年03月 の投稿
2024年03月03日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2024年14本目】映画「夜明けのすべて」観ました。

瀬尾まいこの小説を映画化。
瀬尾自身のパニック障害の経験を基に、人には理解されにくい疾患を抱え、生きづらさを感じながら生きる男女の交流を描く。
三宅唱が監督・脚本、和田清人が三宅監督と共同で脚本を担当。
パニック障害を患う男性を松村北斗、PMS(月経前症候群)の影響でイライラしがちな女性を上白石萌音が演じる。

月に1度、PMS(月経前症候群)の影響で激しいイライラを感じてしまう藤沢美紗(上白石萌音)は、
転職してきたばかりの同僚・山添孝俊(松村北斗)のささいな行動をきっかけに、ストレスを爆発させてしまう。
その後美紗は、やる気がなさそうに見える孝俊が実はパニック障害を患っており、生きがいや気力も失っていることを知る。
互いの事情を知った二人は職場の人たちの理解に支えられながら、同志のような関係を築いていく。

【感想】
夜を越える苦しみを、純粋な優しさで解かしてゆく。
2024年を代表する日本映画の頂点的傑作ヒューマンドラマ!

まずストーりだったり脚本だったり。

台詞の一つ一つが粒立っていて、染み渡る。
ト書きの繊細さがひしひしと伝わる。
それでいてあくまでも日常の風景をきっちり描写、逸脱しない。
見事すぎるバランスの脚本でした。

そして演出だったり演技だったり。

なにしろ見逃していいシーンが一つもない。
部屋の風景、公園のトンネル、社内の給湯室。
小道具の配置、光の見せ方、雨にぬれたアスファルトの情景。
どれもこれもさりげないのだけど、きっちりと意味がある。
これほど心象描写にこだわった画作りも珍しく、貴重。

さらには俳優陣の演技。
松村さん、上白石さんをはじめ、全キャスト突き抜けた素晴らしさ。
ギリギリまで抑えた台詞回で生活感をきっちり演技。
顔のしわ一本まで意識した表情。
どこまで深く役作りしたのか、サイドストーリーを伝えきる、静かな熱量。
とりわけ脇を固める光石研さん、渋川清彦さんの悲しみをこらえきった微笑み。
どれほどの悲しみを押し込めたら、こんなに優しくなれるんだろうか。。。
これだけでもう映画の価値は十分すぎる。
奇跡のようなキャスティング、皆さんよくぞそれぞれの役を生きてくれたと感謝の気持ちがわきました。

さて。
きっと誰しもが、何らかの苦しみを抱えていて。
悲しみは深く、夜明けはいつだって遠い。

夜が、怖い。
そんな日々でも、誰かが必ず見ていてくれる。
僕があなたが互いに支え合う。
あなたを知りたいと思う気持ちが夜明けを連れてきてくれる。

ラストシーン、キャッチボール、少し乱れる、笑顔で拾いに行く。

僕もそんな人になりたい。
そんな仲間と共に過ごしたい。

心の中心にしっかりと置いておきたい、とても大切な映画になりました。

【評価・つけるとすれば】
4.5です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン 宿泊プラン一覧
伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た
2024年03月02日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2024年13本目】映画「コヴェナント/約束の救出」観ました。

ガイ・リッチー監督によるサスペンス。
アフガニスタンから帰還したアメリカ軍兵士が、
自分の命を救ったアフガニスタン人の通訳とその家族がタリバンに追われていることを知って救出に向かう。
ジェイク・ギレンホール、ダール・サリム、アントニー・スターのほか、
アレクサンダー・ルドウィグ、ボビー・スコフィールドらが出演する。

2018年、アフガニスタン。アメリカ軍の曹長ジョン・キンリー(ジェイク・ギレンホール)は、部隊を率いてタリバンの武器や弾薬の隠し場所を探していた。
部隊は爆発物製造工場を突き止めるが、そこに多数のタリバン兵が現れ、キンリーと彼が雇ったアフガン人通訳のアーメッド(ダール・サリム)以外が命を落とす。
腕と足に被弾して動けないキンリーだったが、アーメッドによってアメリカ軍のもとへ運ばれる。
その後回復し、家族のもとへ戻ったキンリーはアーメッドと彼の家族がタリバンに追われていることを知る。

【感想】
埃と煙幕に包まれた大地に一筋の光。勇気と友情がたぐり寄せる奇跡の軌跡。

まずストーリー。
緊迫するアフガン情勢と米軍、市民の関係性。
この難題に対し十二分にわかりやすい、
例えば当時の情勢を世界史的に知らなくとも理解できる脚本です。
人物描写とアクションの割り振り、
バランスも考慮されていて程よいルックに仕上がっているのは流石のガイリッチー。
きっちりとしたストーリーテリングを体感できます。

次に演出だったり演技だったり。
前半の弛緩と緊張を駆使したアクションシーンは圧巻。
特に先端技術のアメリカとローテクながらも物量に勝るタリバンの対比の構図の取り方が絶妙に上手い。
高低差をつけたカメラワークも流石の見応え。
撮影陣の力量の確かさを感じられます。
俳優陣も的確な配役かつ演技。
主軸の二人、ジェイク・ギレンホールさんとダール・サリムさんの感情のやりとり、緊張感の作り方と幅も深み。
コンマ何秒のタイミングで繰り広げられる場面転換も難なくこなしつつ、
これだけのアクションもこなす。
きっちりと本物の軍人に見える役作り、感服しました。

ちょっとだけ言うことがあるとすればですが、、。
帰還のシーン、ちょっと長く、同じようなシーン、見たことあるシーンの繰り返しに感じる。
一方で主人公帰国からアフガン再入国までの葛藤がやや薄い。
この二点はほんのわずかですがバランスを欠いていたように感じました。

さて。
911テロによるアメリカの報復的アフガン進駐、ウサマビンラディンの殺害成功。
この後、まさかアメリカが撤退するとか、タリバンが巻き返して政権を掌握するとか、想像もしてませんでした。
正義とは何かとは難しい命題だけれども、少なからず「正義のようなもの」をうっすら信奉していて、
でもそんなものが上手くいくとは限らない、感情が殺されていくような現実。
その中でいつも踏み潰されていくのは市井の人々、
そこに住まう市民であり、より弱きものから奪われていく。

この映画が語るのは単なる「美しき友情が、仲間を救う」ことじゃない。
沢山の同じような境遇の人々が「救われなかった」ことではないか。

21世紀版キリングフィールド、学ぶべきことが多かった。
心に強くとどめなければと感じる作品でした。

【評価・つけるとすれば】
4.0です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た
2024年03月01日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2024年12本目】映画「ネクスト・ゴール・ウィンズ」観ました。

『ネクスト・ゴール! 世界最弱のサッカー代表チーム 0対31からの挑戦』としてドキュメンタリー化もされた実話を基に描くヒューマンドラマ。
長い間公式戦未勝利だったアメリカ領サモアのサッカー代表チームが、FIFAワールドカップ・ブラジル大会予選で、新任コーチと共に初勝利を目指す。
監督などを務めるのはタイカ・ワイティティ。
マイケル・ファスベンダーのほか、オスカー・ナイトリー、エリザベス・モスらが出演する。

アメリカ領サモアのサッカー代表チームは、長きにわたりFIFAランキング最下位で、2001年には0対31という記録的大敗も喫していた。
チームに次の予選が迫る中、破天荒な性格でアメリカを追われたコーチのトーマス・ロンゲン(マイケル・ファスベンダー)が、新たに代表チームのコーチに就任。
彼は世界で最も弱いと言われてきたチームの立て直しを図ろうとする。

【感想】
現実版「あきらめたらそこで試合終了ですよ」!!

まずストーリー。
これは実話に基づいているのでまあ予想通り、、、と思いきや!!
ただのスポ根ものに終わらせない、監督の力量が炸裂。
夫婦や家族の難しさ、宗教や文化の違い、
スポーツマーケティングのあり方、さらには精査の問題まで、
実に多様な要素を散漫になることなく見事にパッケージング。
人物にしっかり焦点を当て深掘りすることで会話劇としての面白さを見いだせます。

次に演技だったり演出だったり。
凡百の演出であれば「弱いチームの技術がどんだけ未熟か」を沢山シーンに入れ込みたくなるところ。
これが絶妙に少ない。
そしてだんだん上手くなるシーンも少ない。
つまりはスポーツ映画としての文法的なものはあまり踏襲していないのに、この推進力。
あくまでも会話の軽妙さと人物描写の深掘りで勝負、潔し!です。
マイケルファスベンダー演じる監督は、
いるよね、こんな感じのマネージャー、行動、佇まいともに素晴らしい作り込み。
サッカーに詳しくない人でも面白みを受け止められる演技プラン、演出方針は好悪感度高かったです。

さて。
「あきらめたらそこで試合終了ですよ。」
これは何もサッカーに、スポーツに限ったことではなく。
それこそ人間関係だったり、ビジネスだったり、
諦観の誘惑は世界に満ちあふれていて、
僕の心の中にも言わずもがなに存在しちゃってる。
それでも尚、
あきらめなかった、
あきらめきれなかったものだけがつかめる、
小さな勝利みたいなものも、
大きな魅力であることも確か。

努力はいつも細い糸をたぐり寄せるような、心細い行為。
それでも楽しんでとり組むメンタリティを示唆したこの映画。

南の島、情景の美しさだけでは語りきれない尊さを感じることができた作品でした。

【評価・つけるとすれば】
4.0です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
↓お読みいただきありがとうございました。宜しければぜひぜひコメント・クリックをお願い致します↓

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by alcyon | 映画観た

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こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
伊豆の四季やイベント、グルメ情報などを中心に、時々は好きな映画や本などのこともUPしていきます。
メールはこちらまで・・info@alcyon-izu.com
連絡先はこちらまで:0557-51-5600

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