こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2024年13本目】映画「コヴェナント/約束の救出」観ました。
ガイ・リッチー監督によるサスペンス。
アフガニスタンから帰還したアメリカ軍兵士が、
自分の命を救ったアフガニスタン人の通訳とその家族がタリバンに追われていることを知って救出に向かう。
ジェイク・ギレンホール、ダール・サリム、アントニー・スターのほか、
アレクサンダー・ルドウィグ、ボビー・スコフィールドらが出演する。2018年、アフガニスタン。アメリカ軍の曹長ジョン・キンリー(ジェイク・ギレンホール)は、部隊を率いてタリバンの武器や弾薬の隠し場所を探していた。
部隊は爆発物製造工場を突き止めるが、そこに多数のタリバン兵が現れ、キンリーと彼が雇ったアフガン人通訳のアーメッド(ダール・サリム)以外が命を落とす。
腕と足に被弾して動けないキンリーだったが、アーメッドによってアメリカ軍のもとへ運ばれる。
その後回復し、家族のもとへ戻ったキンリーはアーメッドと彼の家族がタリバンに追われていることを知る。
【感想】
埃と煙幕に包まれた大地に一筋の光。勇気と友情がたぐり寄せる奇跡の軌跡。
まずストーリー。
緊迫するアフガン情勢と米軍、市民の関係性。
この難題に対し十二分にわかりやすい、
例えば当時の情勢を世界史的に知らなくとも理解できる脚本です。
人物描写とアクションの割り振り、
バランスも考慮されていて程よいルックに仕上がっているのは流石のガイリッチー。
きっちりとしたストーリーテリングを体感できます。
次に演出だったり演技だったり。
前半の弛緩と緊張を駆使したアクションシーンは圧巻。
特に先端技術のアメリカとローテクながらも物量に勝るタリバンの対比の構図の取り方が絶妙に上手い。
高低差をつけたカメラワークも流石の見応え。
撮影陣の力量の確かさを感じられます。
俳優陣も的確な配役かつ演技。
主軸の二人、ジェイク・ギレンホールさんとダール・サリムさんの感情のやりとり、緊張感の作り方と幅も深み。
コンマ何秒のタイミングで繰り広げられる場面転換も難なくこなしつつ、
これだけのアクションもこなす。
きっちりと本物の軍人に見える役作り、感服しました。
ちょっとだけ言うことがあるとすればですが、、。
帰還のシーン、ちょっと長く、同じようなシーン、見たことあるシーンの繰り返しに感じる。
一方で主人公帰国からアフガン再入国までの葛藤がやや薄い。
この二点はほんのわずかですがバランスを欠いていたように感じました。
さて。
911テロによるアメリカの報復的アフガン進駐、ウサマビンラディンの殺害成功。
この後、まさかアメリカが撤退するとか、タリバンが巻き返して政権を掌握するとか、想像もしてませんでした。
正義とは何かとは難しい命題だけれども、少なからず「正義のようなもの」をうっすら信奉していて、
でもそんなものが上手くいくとは限らない、感情が殺されていくような現実。
その中でいつも踏み潰されていくのは市井の人々、
そこに住まう市民であり、より弱きものから奪われていく。
この映画が語るのは単なる「美しき友情が、仲間を救う」ことじゃない。
沢山の同じような境遇の人々が「救われなかった」ことではないか。
21世紀版キリングフィールド、学ぶべきことが多かった。
心に強くとどめなければと感じる作品でした。
【評価・つけるとすれば】
4.0です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
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