こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2024年19本目】映画「パストライブス/再会」観ました。
離れ離れになっていた幼なじみの男女が、24年間のすれ違いを経てニューヨークで再会を果たすドラマ。
監督はセリーヌ・ソン。
グレタ・リー、ユ・テオ、ジョン・マガロらが出演する。
ベルリン国際映画祭やゴールデン・グローブ賞などにノミネートされた。ソウルに暮らす12歳のノラとヘソンはお互いに惹かれ合っていたが、ノラが海外に移住したことで離れ離れになる。
12年後、ニューヨークとソウルでそれぞれの道を歩んでいた二人は、
オンライン上で再会してお互いへの思いが変わっていないことを確かめ合うが、すれ違いも起こしてしまう。
さらに12年が経ち、36歳になったノラ(グレタ・リー)は作家のアーサーと結婚していたが、
ヘソン(ユ・テオ)はそれを知りながらも彼女に会うためにニューヨークへ向かう。
【感想】
幾層にも重なった前世(パストライブス)の末、出会った二人。その行く末は運命なのか?
まずストーリー。
主要人物は3人。
幼なじみの男女と女性の旦那。
いつどこに地雷があるのかヒリヒリしそうなところをしっかり回避。
必要以上にしゃべらせない的確な台詞量だったり、
キーワード(「イリョン」)の際立たせ方だったり、
構成を練りに練ったことが十二分に伝わる。
素晴らしいストーリー、脚本です。
次に演出面。
まず目を引くのはニューヨークの情景の使い方、その巧みさ。
派手な画作り、しようと思えばいくらでもできたのに、
無機質さを廃し、人の温もりがしっかり伝わるような画作り。
韓国から遠く離れていること、違う生活を歩んでいることピタッと表す。
絶妙な心象描写。
ぐいぐい物語に引き込まれる映像表現です。
そして演技面。
これがまた実にいい!!
会話劇でありながら細かな手の動きなんかで、これまた細かな心情を伝えていく。
派手な感情表現はほとんどなし。
でもしっかり伝わる、深い気持ち。
三人三様、見事に自分の感情を表現しきっている。。
誰かしらに感情移入できる素晴らしいアンサンブルでした。
さて。
この映画のキーワード「イリョン」とは「運命」「摂理」と言う意味の様です。
人は運命によって導かれ出会う。
ただこの映画はそこで終わらない。
人には意志があり、自ら自分の人生を切り拓く。
摂理、運命の向こう側まで描ききったところにこの映画の意味がある。
今までいろんな人に出会い、それはたしかに運命で。
今までいろんな人と疎遠になり、それはしかし僕の意志で。
そしていろんな人とつながり合っている、これこそもまた「僕らの」意志。
甘いだけ、ほろ苦い人生じゃない。
案外、日常は豊かな味わいに満ちている。
これは名画だったんじゃないでしょうか。
おすすめして感想を語り合いたい映画でした。
【評価・つけるとすれば】
4.2です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
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