こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2024年34本目】映画「青春18×2 君へと続く道」観ました。
台湾の紀行エッセイ「青春18×2 日本慢車流浪記」を原作に描くラブストーリー。
台湾と日本の男女がアルバイト先で出会い、お互い惹かれ合う。
藤井道人が監督などを手掛け、俳優チャン・チェンがエグゼクティブプロデューサーを担当する。
シュー・グァンハン、清原果耶らが出演している。高校生のジミー(シュー・グァンハン)のアルバイト先に、日本から来たバックパッカーのアミ(清原果耶)が現れる。
二人は夏の間同じ店で働くことになり、ジミーは4歳年上のアミに淡い恋心を抱くようになる。
バイクで夜道を走ったり、映画を観に行ったりするうちに、彼らの距離は縮まっていくが、
ある日突然アミが日本に帰ることになり、戸惑うジミーにアミはある約束をする。
【感想】
圧倒的な瑞々しさが、心の中心をしっかりと貫いてゆく。
語り継がれるべき、美しすぎる青春映画!
まずストーリー、脚本。
まず目を引くのは王道感たっぷりのストーリー。
ボーイミーツガール、ガールミーツボーイ。
この二つを掛け合わせて、研ぎ澄まして、純度の高い「青春」の雫を取り出していく。
予想のつく、既視感だらけの展開の中でしっかりスパイスの効かせ、結末の美しさに磨きをかける。
伏線回収の数も的確さも文句なし。
満足度の高さは生涯補償級の脚本でした。
次に演出だったり演技だったり。
まず一番に感じるのは監督、制作陣の映画に対する愛情の深さ。
様々な日本映画、台湾映画へのオマージュを織り込みながら、
どこか懐かしさを感じる台湾、台南市の情景を写し取っていく。
それだけでももう十分なのに。
主演の二人。
アミとジミー、清原果耶さんとシュー・グァンハンさんの演技が、
作り込まれた設定を演技で完全に越えていく。
一つ一つの台詞、ちょっとした目の動き、笑顔の意味。
本当に映画の中で生きていたかのよう。
さらには大人になったジミー。
そして出会っていく人々。
誰もが優しく、暖かい。
もっと露悪的なシーンを入れてバランスをとることもできたはずなのに、
あえてこだわった藤井監督の覚悟。
強いメッセージ性を感じることもできました。
さて。
いま、青春という言葉を口にすることなんてなかなかにない年齢になり。
振り返ると、いつあの日々が始まって、いったいいつ終わっていたのか。
あの瑞々しさは確かに自分にも存在していたはずで、無意識に枯れていて。
いったい何を探していたのか。
いつのまにか何を諦めてしまったのか。
持っていたのは何だったんだろうか。
棄ててしまったものはどこに行ってしまったのか。
そして、
今でも忘れていないこと、
達成できてないかもしれないかもしれないが、諦めていないこと。
そんなことを思い起こさせてくれる作品であったともいます。
遠く離れてしまった友人に、会いたくなりました。
素晴らしい映画体験でした。
【評価・つけるとすれば】
4.5です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
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