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アルシオン通信

Alcyon Blog

2024年05月 の投稿
2024年05月29日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2024年34本目】映画「青春18×2 君へと続く道」観ました。

台湾の紀行エッセイ「青春18×2 日本慢車流浪記」を原作に描くラブストーリー。
台湾と日本の男女がアルバイト先で出会い、お互い惹かれ合う。
藤井道人が監督などを手掛け、俳優チャン・チェンがエグゼクティブプロデューサーを担当する。
シュー・グァンハン、清原果耶らが出演している。

高校生のジミー(シュー・グァンハン)のアルバイト先に、日本から来たバックパッカーのアミ(清原果耶)が現れる。
二人は夏の間同じ店で働くことになり、ジミーは4歳年上のアミに淡い恋心を抱くようになる。
バイクで夜道を走ったり、映画を観に行ったりするうちに、彼らの距離は縮まっていくが、
ある日突然アミが日本に帰ることになり、戸惑うジミーにアミはある約束をする。

【感想】
圧倒的な瑞々しさが、心の中心をしっかりと貫いてゆく。
語り継がれるべき、美しすぎる青春映画!

まずストーリー、脚本。

まず目を引くのは王道感たっぷりのストーリー。
ボーイミーツガール、ガールミーツボーイ。
この二つを掛け合わせて、研ぎ澄まして、純度の高い「青春」の雫を取り出していく。
予想のつく、既視感だらけの展開の中でしっかりスパイスの効かせ、結末の美しさに磨きをかける。
伏線回収の数も的確さも文句なし。
満足度の高さは生涯補償級の脚本でした。

次に演出だったり演技だったり。

まず一番に感じるのは監督、制作陣の映画に対する愛情の深さ。
様々な日本映画、台湾映画へのオマージュを織り込みながら、
どこか懐かしさを感じる台湾、台南市の情景を写し取っていく。

それだけでももう十分なのに。

主演の二人。
アミとジミー、清原果耶さんとシュー・グァンハンさんの演技が、
作り込まれた設定を演技で完全に越えていく。
一つ一つの台詞、ちょっとした目の動き、笑顔の意味。
本当に映画の中で生きていたかのよう。

さらには大人になったジミー。
そして出会っていく人々。

誰もが優しく、暖かい。

もっと露悪的なシーンを入れてバランスをとることもできたはずなのに、
あえてこだわった藤井監督の覚悟。
強いメッセージ性を感じることもできました。

さて。
いま、青春という言葉を口にすることなんてなかなかにない年齢になり。
振り返ると、いつあの日々が始まって、いったいいつ終わっていたのか。
あの瑞々しさは確かに自分にも存在していたはずで、無意識に枯れていて。

いったい何を探していたのか。
いつのまにか何を諦めてしまったのか。
持っていたのは何だったんだろうか。
棄ててしまったものはどこに行ってしまったのか。

そして、
今でも忘れていないこと、
達成できてないかもしれないかもしれないが、諦めていないこと。

そんなことを思い起こさせてくれる作品であったともいます。

遠く離れてしまった友人に、会いたくなりました。

素晴らしい映画体験でした。

【評価・つけるとすれば】
4.5です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た
2024年05月24日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2024年34本目】映画「落下の解剖学」観ました。

解説・あらすじ
第76回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したサスペンス。
夫が不審な転落死を遂げ、彼を殺害した容疑で法廷に立たされた妻の言葉が、夫婦の秘密やうそを浮かび上がらせる。
メガホンを取るのはジュスティーヌ・トリエ。
ザンドラ・ヒュラー、スワン・アルローのほか、ミロ・マシャド・グラネール、アントワーヌ・レナルツらが出演する。

ベストセラー作家のサンドラ(ザンドラ・ヒュラー)は、
夫と視覚障害のある11歳の息子(ミロ・マシャド・グラネール)と人里離れた雪山の山荘で過ごしていたが、
あるとき息子の悲鳴を聞く。
血を流して倒れる夫と取り乱す息子を発見したサンドラは救助を要請するが、夫は死亡。
ところが唯一現場にいたことや、前日に夫とけんかをしていたことなどから、
サンドラは夫殺害の容疑で法廷に立たされることとなり、証人として息子が召喚される。

【感想】
「真実」が「本当に起こったこと」とは限らない。。。
疑念の連鎖、たどり着く深淵に心ざわめく問題作。

まず脚本。

これは主人公が作家であるという設定をフルに使い切り、
伏線をこれでもかと張り巡らしたゴリゴリのサスペンスに仕上げています。
基本的には法廷とその外、現在進行の裁判と当時の家族の状況をパラレルに見せていくのですが、
台詞量がよく整理されていて混雑しないのもよくできてるなと感じました。

研ぎに演出演技。
物語の主軸になる息子役、ミロ・マシャール・グラネールの肝の据わった演技は素晴らしく、必見に値します。
法廷の様子や心理描写も細やかに演出されていて見逃しどころも少ない印象でした。

ただ、
・やっぱり尺がながく、集中していないと同じシーンに見えるシークエンスも散見されますし、
・作家性なんでしょうが、観客の心情を結構な割合で置き去りにするので、気持ちのついて行けないシーンも少しばかり多く感じました。

さて。
話の内容としては正直あまり共感できず。。
息子の台詞、
「何が真実がわからない時は、心で真実を決めるしかない」
とはいうものの、
そこには印象の大きさに埋もれてしまうことが多すぎるし、
正直結論ありきの打算も感じるし、、、。
特に主役の小説家・妻の佇まいにはおぞましさしか感じませんでした。

審美、真贋の重要性はわかっているつもりでしたが、
今一度、事実の確かめ方、偏りの排除をよくよく反省せねばと感じる作品ではありました。

【評価・つけるとすれば】
3.7です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
↓お読みいただきありがとうございました。宜しければぜひぜひコメント・クリックをお願い致します↓

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by alcyon | 映画観た

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伊豆の四季やイベント、グルメ情報などを中心に、時々は好きな映画や本などのこともUPしていきます。
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