こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2024年39本目】映画「関心領域」観ました。
第2次世界大戦下のアウシュビッツ強制収容所所長とその家族を描いたマーティン・エイミスの小説を原案にした歴史ドラマ。
収容所の隣で穏やかに暮らすルドルフ・ヘス所長一家の姿を通して、それとは正反対の収容所の残酷な一面を浮かび上がらせる。
監督はジョナサン・グレイザー。出演はクリスティアン・フリーデルやザンドラ・ヒュラーなど。ナチスドイツ占領下にあった1945年のポーランド。
アウシュビッツ強制収容所で所長を務めるルドルフ・ヘス(クリスティアン・フリーデル)と妻のヘドウィグ(ザンドラ・ヒュラー)は、
収容所と壁を隔てたすぐ隣の家で暮らしていた。
収容所からの音や立ち上る煙などが間近にありながら、一家は満ち足りた日常を送っていた。
【感想】
狂っているのは誰か。狂わせているのは何か。
人間という種の闇をあぶりだし尽くす問題作。
まずストーリー。
これは、かの有名なアウシュビッツが舞台。
淡々と、少しづつ、着実に進むストーリー展開から、急激なラスト。
当たり前ですが非常に確信犯的。
主題の骨格をきちり捉えた硬質な脚本でした。
次に演出。
これはただひたすらに「怖い」。
まず、音の演出、ひたすら不穏。
ギミックの効いた永続の演出。
意図的に青い空、、。
日常の描き方にいたるまで、平凡すぎて怖い、、、。
こんな手法があったのだと、意表を突かれました。
ただ、
アウシュビッツをテーマにした映画は数多く、
既知のの情報も過多の中での作劇、
新規性がどれほどあったのかといえばそこまででも無く。
衝撃度も耐性がついてしまっているのかこれもまたそれほどでも無く、
といった点は残念でした。
さて。
いつも思うのです。
アウシュビッツ、ナチスドイツによる蛮行、
このような惨劇を担うのは特別な狂人ではなく、
ただ日々を暮らす市井の人々であるということ。
そして今なお世界で続く、虐殺の数々。
これを許してしまっているのもまた、私自身を含む一般の市民なのだと。
原因はいつだって人間の業。
過剰に膨れ上がっていく欲深さと、そのために身につけた無関心というテクニック。
自分のため、家族のためと言い訳しながら、身近じゃない犠牲には目をつぶってしまう。
この積み重ねがいつしか集団の狂気に変容していく。
歴史から学ばなきゃいけないのに、繰り返されていく光景。
あのラストシーン、飽和、もしくは破綻していく有様は非常に示唆的。
過去を振り返る映画では無く、今を穿つ作品だったと思います。
【評価・つけるとすれば】
3.8です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
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