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アルシオン通信

Alcyon Blog

2024年07月 の投稿
2024年07月15日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2024年46本目】映画「ルックバック」観ました。

藤本タツキによるコミックを原作とする青春アニメ。
小学4年生の少女が、漫画好きという共通点を持つ不登校の少女と共に漫画制作に邁進するも、やがて衝撃的な出来事が起こる。
二人の少女の声を俳優の河合優実と吉田美月喜が担当。
監督押山清高が務め、アニメーション制作をスタジオドリアンが手掛ける。

小学4年生の藤野は学生新聞で4コマ漫画を連載し、クラスメートから絶賛されていた。
ある日、藤野は先生から不登校の京本が手掛けた4コマ漫画を学生新聞に載せたいと告げられる。
そのことを機に藤野と京本は親しくなっていくが、やがて成長した二人に、全てを打ち砕く出来事が起こる。

【感想】
こんなにも、こんなにも。終わらない青春、その純度に心抉られる、この夏最高の映画体験!!。

まずストーリー。
とりあえず原作を予習して劇場へ。
漫画の持つスピード感、ぎゅっと煮詰まった濃密さをどのように?
と心配が先行していたのですがまあったくの杞憂。
あの藤野が、あの京本が動き出す。
それだけでもう、エモーションは最高潮に。
原作を愛していることがまっとうに伝わる脚本とはこのこと。
脚色も愛しているからこそ。
純度の高い「リスペクト」を感じることができます。

そして作画、演出。
まず、特筆すべきはその上映時間。
55分。
この短さにすべてを賭ける潔さ。
原作の密度を絶対に薄めない覚悟。
マーケティングを考えれば、致命傷になりかねない決断を、あえて選択。
本当は存在した膨大な時間、目から血がにじむような努力の時間を観客の想像に委ねる。
制作陣にはよくぞ僕を、僕ら観客を信頼してくれた。
劇場が確実に一つになる演出、素晴らしい以外の言葉が見つからないです。

さて。

創作への初期衝動、
天才との出会い、
その天才の努力。
立ちはだかる壁。
芽生える友情。
突然の幕切れ。

どれもこれもが形こそ違え思い当たること事ばかり。

振り向くことになれて。
前を向くことに戸惑うようになって。

ルックバック。
ドントルックバック。

昔を懐かしむような気持ちで観ていた映画が、
いつの間にか今の現実を穿つものに。

諦めてしまったものは沢山あるけれど、
諦め切れてないもの、あるよね。

まっすぐにペン先を突きつけられたような感覚になりました。

今を生きるすべての大人に。
心からおすすめです!

【評価・つけるとすれば】
4.6です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン 宿泊プラン一覧
伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た
2024年07月05日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2024年44本目】映画「人間の境界」観ました。

ポーランドとベラルーシの国境を舞台に、難民家族の運命を描くヒューマンドラマ。
2021年9月、ポーランド政府がベラルーシとの国境付近に非常事態宣言を発令し、
ジャーナリストや医師、人道支援団体らの立ち入りまで禁止される中で、
入国を拒否された難民たちが生命の危機にさらされる。
監督などを務めるのはアグニェシュカ・ホランド。
ジャラル・アルタウィル、マヤ・オスタシェフスカらがキャストに名を連ねる。

幼い子供を連れたあるシリア人家族は、ベラルーシを経由してポーランド国境を越えれば、
ヨーロッパに入ることができるという情報を信じて祖国を脱出する。
しかし亡命を求めてポーランド国境の森までたどり着いた彼らを待ち受けていたのは、武装した国境警備隊だった。
一家は国境警備隊に非人道的な扱いを受けてベラルーシへと送り返され、
さらにベラルーシではポーランドに向けて再び強制移送される。

【感想】
創作物が描き出す、紛れもない「真実」。
目をそらしてよいわけがない希望無き現実を撮りきった力作!

まずストーリー。
これは、まるでドキュメンタリーかと見紛うほど。
しつこく、綿密に取材を重ねたであろう事は疑う余地のない脚本、設定。
監督の執念はすさまじく、完全に圧倒されました。

そして演出、演技。
これもまた容赦なし。
シリア難民家族、ポーランド国境警備隊の青年、人権活動家、それに賛同する精神科医。
大きくは4つの視点から難民問題を取り扱っているのですが、一つ一つの視点が本当に鋭利な刃物。
観客の心の負荷を度外視し、現実を作り上げる事に尽くす、
これもまた執念を感じる作劇です。

強いて言えば
・やっぱり観ていて負荷が大きい、容赦なさ過ぎる
・登場人物が多すぎて整理が追いつかない
点はありましたが、まあ本当に強いて言えばの範囲です。

さて。
難民問題。
これは人権はおろか生命の問題であるのにもかかわらず、
人によって温度差のあるテーマ。
隣近所では無いことに心を割くのはなかなかに難しいのはもちろん承知。

それでも今日この瞬間に

シリアで
レバノンで
ビルまで
ダルフールで

世界中のどこかで受け入れられなかった人たちが死んでいく。
幼きものの未来が無為に失われていく。

それぞれの立場があろうともやはり目を向け無ければならない。
苦しくても目をそらしてはならない。

ラストシーン、あの光景、冗談のようなあの台詞。
僕には「別の問題」とはどうしても思えない。

これほど「観ない理由が見つからない」映画も近年なかったように感じます。

【評価・つけるとすれば】
4.4です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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by alcyon | 映画観た
2024年07月04日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2024年43本目】映画「かくしごと」観ました。

親子と偽って少年と暮らす女性の姿を描く、小説家・北國浩二の原作を映画化したミステリードラマ。
事故で記憶を失った少年と出会った女性が、虐待を受けている疑いのある彼を守ろうと、母親と偽って一緒に暮らし始める。
監督を務めるのは関根光才。
杏、中須翔真、佐津川愛美のほか、酒向芳、安藤政信、奥田瑛二らが出演する。

絵本作家の千紗子(杏)は、認知症を患う父・孝蔵(奥田瑛二)を介護するために帰郷する。
長年絶縁状態にあった父親との同居にへきえきしていた千紗子は、
あるとき事故で記憶を失ってしまった少年(中須翔真)を助け、彼の体に虐待を受けた痕を見つける。
千紗子は少年を守ろうと考え、自分が母親だとうそをつき、少年と暮らし始める。
千紗子と少年、認知症が進行する孝蔵は次第に心を通わせるようになるが、その幸せな生活に終わりが訪れる。

【感想】
この嘘を、この愛を果たして断罪できるものなのか。
「社会の仕組み」の非情さに一石を投じる意欲作。

まずストーリー。
父と娘、母と息子という二重の親子関係を序盤で比較的わかりやすく、さっと説明。
この部分が抜群に効いているので、その後に起こるやや荒唐無稽な展開もすんなり飲み込める。
すんなり飲み込めるので、キャストの台詞や心情がこれまたわかりやすく、ダイレクトに響く設計。
原作は未読なのですが世界観はきっちり抑えていたのではと想像します。

次に演出や演技。
まず綿密なロケハンを行ったことは明らか、「あの場所」を探し出したことに感服。
さらにしっかりとしたキャスティング。
主演の杏さんのしっかりとした母性を感じる演技もさることながら、
奥田瑛二さんの役に殉じるかのようなインテンシティの高い演技、
中須翔真さんの子供ならではの生命力を感じる演技、
と見所を混雑させること無くすっきりと撮りきっているのは、流石、たしかな監督の手腕を感じます。

ただ、あえて言えば、、
杏さんの苦悩、狂気みたいなものがもう少し踏み込んでもよかったかも。
奥田さんにとってもチャレンジングな役作り、その分やや過剰。
には感じました。

さて。
お話は荒唐無稽で現実にはあり得ない。
千沙子の行動にも突飛な所を感じてしまうし、
冷静な大人ならやらないことばかり。

それでも尚、鑑賞して感じたのは、
「この過ちを責める事が果たして善良と言えるのか」
という自分への問い掛けでした。

世の中には「あの子」のような環境は実際にごまんと存在し、
意外と身近な所でも見聞きする。
他人事と割り切ってしまえば、「制度」に落とし込めばよいとも思ってしまう。
そしていつしか制度自体を疑わず、社会のゆがみから目をそらし、注ぐべき愛情を忘れてしまう。

ラストシーン。
少年の言葉、まなざし。

許される社会、
もっと優しい世の中を作ってこなかった大人として、
申し訳ない、苦しい気持ちになりました。

【評価・つけるとすれば】
3.9です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
↓お読みいただきありがとうございました。宜しければぜひぜひコメント・クリックをお願い致します↓

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伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た

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