こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2024年44本目】映画「人間の境界」観ました。
ポーランドとベラルーシの国境を舞台に、難民家族の運命を描くヒューマンドラマ。
2021年9月、ポーランド政府がベラルーシとの国境付近に非常事態宣言を発令し、
ジャーナリストや医師、人道支援団体らの立ち入りまで禁止される中で、
入国を拒否された難民たちが生命の危機にさらされる。
監督などを務めるのはアグニェシュカ・ホランド。
ジャラル・アルタウィル、マヤ・オスタシェフスカらがキャストに名を連ねる。幼い子供を連れたあるシリア人家族は、ベラルーシを経由してポーランド国境を越えれば、
ヨーロッパに入ることができるという情報を信じて祖国を脱出する。
しかし亡命を求めてポーランド国境の森までたどり着いた彼らを待ち受けていたのは、武装した国境警備隊だった。
一家は国境警備隊に非人道的な扱いを受けてベラルーシへと送り返され、
さらにベラルーシではポーランドに向けて再び強制移送される。
【感想】
創作物が描き出す、紛れもない「真実」。
目をそらしてよいわけがない希望無き現実を撮りきった力作!
まずストーリー。
これは、まるでドキュメンタリーかと見紛うほど。
しつこく、綿密に取材を重ねたであろう事は疑う余地のない脚本、設定。
監督の執念はすさまじく、完全に圧倒されました。
そして演出、演技。
これもまた容赦なし。
シリア難民家族、ポーランド国境警備隊の青年、人権活動家、それに賛同する精神科医。
大きくは4つの視点から難民問題を取り扱っているのですが、一つ一つの視点が本当に鋭利な刃物。
観客の心の負荷を度外視し、現実を作り上げる事に尽くす、
これもまた執念を感じる作劇です。
強いて言えば
・やっぱり観ていて負荷が大きい、容赦なさ過ぎる
・登場人物が多すぎて整理が追いつかない
点はありましたが、まあ本当に強いて言えばの範囲です。
さて。
難民問題。
これは人権はおろか生命の問題であるのにもかかわらず、
人によって温度差のあるテーマ。
隣近所では無いことに心を割くのはなかなかに難しいのはもちろん承知。
それでも今日この瞬間に
シリアで
レバノンで
ビルまで
ダルフールで
世界中のどこかで受け入れられなかった人たちが死んでいく。
幼きものの未来が無為に失われていく。
それぞれの立場があろうともやはり目を向け無ければならない。
苦しくても目をそらしてはならない。
ラストシーン、あの光景、冗談のようなあの台詞。
僕には「別の問題」とはどうしても思えない。
これほど「観ない理由が見つからない」映画も近年なかったように感じます。
【評価・つけるとすれば】
4.4です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
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