こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2024年66本目】映画「ありふれた教室」観ました。
ある中学校で発生した盗難事件が予想もつかない事態を引き起こし、学内の秩序が崩壊していくサスペンス。
新任の若手教師が盗難の嫌疑をかけられた生徒を守ろうとするも、生徒や同僚らとの対立を招いて追い詰められていく。
イルケル・チャタクがメガホンを取り、レオニー・ベネシュが主人公を演じる。
第96回アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートされたほか、数々の映画賞で高い評価を得た。赴任先の中学校で1年生のクラスを受け持つことになった若手教師・カーラ(レオニー・ベネシュ)。
同僚や生徒の信頼を得ていく中、校内で盗難事件が続発し、彼女の教え子が犯人として疑われる。
校長らの調査に反発したカーラは独自に犯人捜しを始め、ひそかに職員室の様子を撮影した映像に、ある人物の犯行の瞬間を見つける。
しかし盗難事件を巡る彼女や学校側の対応はうわさとなって広まり、
保護者の批判や生徒の反発、同僚教師との対立を招き、カーラは窮地に追い込まれる。
【感想】
良心、使命感、理性。
どれもがありふれている「秩序のあやうさ」を見事にパッケージングした快作。
まずストーリー、脚本。
小さな、ありふれている、ただし見逃してはいられない「事件」。
この着想が実に白眉。
落としたインクが不規則に水面を汚してゆくように、じわりじわりと進行する。
徐々にテンポを上げて最後、加速の限界を振り切るような展開。
よくある、それこそ「ありふれた」話の領域をしっかり越える脚本でした。
そして演出、演技。
これもまた絶妙。
大人の事情を子供っぽく、子供の小狡さを大人っぽく。
これもまた「ありふれてない」、
いったい何を観ているのか、ざらついた違和感を感じました。
俳優陣、子役陣も躍動。
テンションの上げ方、不穏な空気のだし加減等々、精密な演技。
この精密さがラストにかけての濃密さを支えきっています。
さて。
小さな、
それでいて目をつぶることはできない事件、
言葉を換えれば「悪の種」はこの社会で生きていれば毎日のように出会ってしまう。
その種が発芽し根を生やせばあっという間に悪意の根は伸び、事態は大きな花を咲かせてしまう。
どこで間違ったのか、
適切な方法は無かったのか。
振り返った所で後の祭り。
破綻後の処理に右往左往しているのが昨日で今日で明日、
つまりは日々の生活なのだと思い知らされる。
行き詰まった社会正義、秩序の行方を見事に捉えた秀作だったと思います。
【評価・つけるとすれば】
4.0です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
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