こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2024年69本目】映画「侍タイムスリッパー」観ました。
現代にタイムスリップした武士の姿を描くSF時代劇。
落雷に打たれて現代の時代劇撮影所にタイムスリップした会津藩士が、剣の腕を生かして斬られ役で生計を立てる。
メガホンを取るのは安田淳一。
山口馬木也、冨家ノリマサ、沙倉ゆうののほか、峰蘭太郎、紅萬子、福田善晴らが出演する。幕末の京都。
剣豪として鳴らす会津藩士・高坂新左衛門(山口馬木也)は、
ある長州藩士を襲撃するように命じられて刃を交えるが、その瞬間に落雷に打たれて気を失う。
目を覚ますと、新左衛門は現代の時代劇撮影所にいた。
混乱しながら行く先々で騒動を起こし、江戸幕府が140年前に滅んだことを知ってが愕然とした新左衛門はこの時代で生きることを決意する。
自分には剣の腕しかないと、新左衛門は時代劇撮影所の門をたたき、斬られ役として身を立てていく。
【感想】
正直に死ぬか、卑屈に生きるか。
時代が時代を斬る、見事な時代劇!
まずは脚本、ストーリー。
とにもかくにも設定が絶妙!!
タイムスリップものはもう完全に使い古されていて、新しさは難しいと思っていたのですが、、。
そこにあえての時代劇設定。
古さに古さをかぶせるという手法は完全に発明。
これには感服しました。
また、過去=江戸時代と現代=時代劇が廃れゆく日々の対比を台詞の軽妙さも必見。
非常によくできた脚本、ストーリーです。
そして演出、演技。
時代劇シーンの殺陣シーンは実に練り込まれていて、観ていてハラハラするほど本格派。
カメラワークも含め、素晴らしいアクションシーンがてんこ盛りです。
さらには会話劇としてのシーンも見所多く。
少しづつ主人公が現代に溶け込んでいく様子や、
周囲の人々の優しさ溢れる台詞回し。
敢えてなんでしょうが敵役も含め悪人なし設定が生きる演出。
これもまたすばらしい発明でした。
気になったのは、一点だけ。
劇場の調整なのか、それとも原盤の問題なのかわかりませんが、
音が大きい、、。
もしかすると昔の時代劇のアテレコ風にしたかったのかも?しれませんが
これはちょっと聞きにくく、新設とは言いがいかなと思いました。
さて。
僕は会津生まれ。
実直に生きることをまるで使命のように教え込まれるお土地柄。
ならぬものはならぬ、で生きていたつもりでしたが、、、。
いつのまにか
嘘もつくし、
裏もかくし、
手も抜くし、
悪口も言う。
暑ければ日陰を歩き
寒ければ他人を風よけに
とても正直だったり、実直だったりとは遠い有様。
ただ、遠いんですがそれなりに幸せな日々でもあるわけです。
難しいな、、。
生き易さを巡る問いは難しいな。
と感じる次第。
実直さを見失うほどに廃れた気持ちに、
いやいやすてたもんじゃ無いと感じさせてくれる、
現代を優しく斬った時代劇。
映画愛、人間愛に溢れた今年の代表作だと思います。
【評価・つけるとすれば】
4.4です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
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