こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2024年72本目】映画「ホールド・オーバーズ」観ました。
1970年冬、アメリカ・ボストン近郊にある全寮制のバートン校。
生徒や教師たちがクリスマス休暇を家族と過ごす中、
嫌われ者の堅物教師ポール・ハナム(ポール・ジアマッティ)は複雑な家庭環境のアンガス・タリー(ドミニク・セッサ)をはじめとする家に帰れない生徒たちの子守役を任される。
一方、食堂の料理長メアリー・ラム(ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ)は一人息子をベトナム戦争で亡くし、かつて息子と過ごした学校で年を越そうとしていた。
それぞれに孤独を抱える3人は、2週間の休暇を過ごす中で反発し合いながらも徐々に心を通わせていく。アレクサンダー・ペイン監督とポール・ジアマッティが組んだヒューマンドラマ。
1970年のアメリカ・ボストン近郊の寄宿学校を舞台に、ほとんどの生徒や教師たちがクリスマス休暇を家族と過ごす中、
それぞれの事情で学校に留まる3人の男女を描く。
嫌われ者の教師をポール、食堂の料理長をダヴァイン・ジョイ・ランドルフ、複雑な家庭環境の生徒をドミニク・セッサが演じ、
ダヴァインがアカデミー賞助演女優賞を受賞した。
【感想】
クリスマス休暇に降り積もるのは孤独を癒やす友情だった。
誰しもが思い浮かぶ「あの頃」を見事に映し出した傑作。
まずストーリー、脚本。
「寄宿舎モノ」といえば「今を生きる」を想起してしまうし、類似的な面は拭えない、のですが。
主要テーマをベトナム戦争のという痛みを伴う時代背景を織り交ぜて描く手法は的確で明快。
基本的には会話劇なのだけれど語りすぎず、それでいて説明不足もない。
王道ストーリーなのにちゃんと新鮮味のあるウェルメイドな脚本でした。
そして演出、演技。
寄宿舎の風景や校内の様子の撮影が実に雄弁。
台詞無くとも時代背景がしっかり伝わり、演技や台詞回しのフックなっています。
俳優陣の演技もまた見事。
親子関係が上手くいかない、トラウマと供に年齢を重ねる事への焦り、子供を戦争で失った孤独な者の喪失感。
それぞれの痛みをそれぞれの存在が、まなざしが、
しっかりと支え合うようになっていく様子はまるで優しいスープの様な味わい。
雪積もる冬の情景とも相まって心温まる演出でした。
さてさて。
親との相互理解の難しさ、
痛みを抱えたまま生きる苦さ、
大切な人を失ったまま過ぎていく日々を数えるつらさ。
生きていく上でいずれも避けがたく感じます。
それでも、それが何歳であっても
生き様を考える時間はあるし、
生き方を変える時間はある。
旅のように生きるとよく言いますが、
準備をするのに年齢は関係ない。
最初の一歩が踏み出せるかどうかだ。
小さな勇気を優しく後押ししてくれる。
そんな映画だったと思います。
とてもよい映画だったと思います。
::
個人的には寄宿舎体験があるのでやっぱり感慨深いものがありました。
同窓生には皆観てもらいたい!!
【評価・つけるとすれば】
4.2です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
↓お読みいただきありがとうございました。宜しければぜひぜひコメント・クリックをお願い致します↓