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アルシオン通信

Alcyon Blog

2024年11月 の投稿
2024年11月19日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2024年83本目】映画「シビルウォー」観ました。

近未来のアメリカ。
19の州が連邦政府から離脱する中、国内では大規模な分断が進み、
カリフォルニア州とテキサス州が同盟を結んだ「西部勢力」と「政府軍」による内戦へと突入する。
戦場カメラマンのリーをはじめとする4人のジャーナリストチームは、
戦場と化した道をニューヨークから1,000キロメートル以上も走り続け、
大統領が立てこもるホワイトハウスがある首都・ワシントンD.C.へと向かう。

近未来のアメリカを舞台に、分断された国内で内戦が勃発するさまを描くスリラー。
多くの州が連邦政府から離脱し、内戦状態に陥る中、ある戦場カメラマンたちがワシントンD.C.を目指す。
監督などを手掛けるのはアレックス・ガーランド。
キルステン・ダンスト、ワグネル・モウラのほか、
スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン、ケイリー・スピーニーらがキャストに名を連ねる。

【感想】
戦争映画「最後の視点」で魅せる、近未来の寓話。寓話だよね?

まずストーリー。
これはアメリカの「分断」という、現在進行形の社会問題を地理的に可視化。
ロードムービーにすることで、これまた戦争の「真の姿」を顕在化。
常に危うい、着弾一つで世界が終わる光景をしっかりと描写した脚本です。

そして演出演技。
客観のなかに、さらに客観を取り込むといった手法、これこそ最後の視点。
戦闘、命の奪い合いのリアルさをまざまざとみせつる。
その中で問われる人間性の問題にもリーチ。
戦闘シーン以外もまた戦場であることがしっかり伝わるトルクの効いた演出でした。

ただ、
分断の主要因、なぜ東西なのかが体感としてわかりにくく、
ヒューマニズムの問題への踏み込みは残念ながら浅く、
も一ついえば大国ならではの問題、核使用の葛藤も盛り込んででほしかった、
です。

さて。
「分断」「格差」という言葉が定着しきって、
主たる原因として争いを誘発し、暴力に結びつくシーンは別に近未来じゃ無く、
現代も過去も、世界の至る所で、なんだったら隣の町で、わが街で、
徳利返されているように思います。

本作ではおそらくは解決手段としての報道のあり方を提示したかったのであろうと推察しますし、
第4の権力、社会の木鐸なのだからそうであってほしいと希求します。

ところが現実にはフェイクは蔓延し、プロパガンダには利用され、、、。
人間の弱さ、やるせなさを感じました。

他山の石、と思いたい所ですが、もうそれどころでは無いのかもと思う鑑賞体験となりました。

【評価・つけるとすれば】
3.8です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン 宿泊プラン一覧
伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た
2024年11月17日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2024年82本目】映画「SUPER HAPPY FOREVER」観ました。

2023年8月19日、幼なじみの佐野(佐野弘樹)と宮田(宮田佳典)は、伊豆の海辺にある閉館間近のリゾートホテルを訪れる。
5年前にここで出会った妻の凪(山本奈衣瑠)を亡くしたばかりで自暴自棄になる佐野を見かねて、宮田が助言するものの彼の言葉は佐野には届かない。
二人は閉店した思い出のレストランや遊覧船を巡り、かつて無くした妻との思い出の赤い帽子を捜す。

五十嵐耕平が監督などを務めたロードムービー。
妻に先立たれた男性が、妻と出会ったリゾート地を幼なじみと共に5年ぶりに訪れる。
佐野弘樹、宮田佳典のほか、山本奈衣瑠、ホアン・ヌ・クインらがキャストに名を連ねる。
五十嵐監督と組んだダミアン・マニヴェルが共同プロデューサーなどを担当する。

【感想】
短すぎた思い出と長すぎるこれからの日々。
美しい情景が胸をえぐる喪失の物語。

まずストーリー、脚本。
テーマ自体はよくあるパターンで、悪くいえばありきたりになってしまいがち。
これを前半に「破綻」、後半に「構築」を持って行く、いわば倒置法的に脚本をくみ上げることで新鮮味を確保。
さらにはプロットをちりばめ、男性と女性の別れの物語にとどめない話の幅と深みを持たせています。

そして演出演技。

これもまた出色。
自暴自棄な男性、意外に多い設定だと思うのですが、これが抜群に上手い。ともかくいやな感じ。
天真爛漫な女性、これもよくある設定ですが、また上手い。絶妙にハラハラする。
地方の観光地の華やかだった過去とひなびた今の対比。
自己啓発セミナーに傾倒してゆく親友。
苦しみ、閉塞感、しいては死の描写が細やか。
後半のボーイミーツガールの部分の浮き立つような日々が、
前半の残り香を探すかのような一日の輪郭を強調している。

正直最初の5分10分はきつく、苦手な映画と感じていましたが、
途中からみるみるストーリーに引き込まれ、まるで二人を目撃しているかのような気持ちにになりました。

さて。
出会ってしまえば別れるのは必至。
それは今日かもしれないし、十二分に先かもしれない。
喪失を感じるのは自分じゃないかもしれない。
言い換えれば出会いとは残酷の入り口なのかもしれない。

それでも人は出会い、慈しみ、共に生きてゆく。
SUPERでHAPPYでFOREVERじゃ無いことなんてわかっているのにもかかわらず。

心の渇きが癒やされる、豊かなラストシーン。
思い出の場所、思い出の時。

ちゃんと覚えていなきゃと感じました。

素晴らしい映画体験だったと感じます。

【評価・つけるとすれば】
4.2です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
↓お読みいただきありがとうございました。宜しければぜひぜひコメント・クリックをお願い致します↓

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伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た
2024年11月06日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2024年78本目】映画「サウンドオブフリーダム」観ました。

国土安全保障省の捜査官ティム(ジム・カヴィーゼル)は、
国際的な性犯罪組織に拉致された少年少女の行方を追っていた。
上司から特別に捜査許可を得た彼は、児童人身売買がはびこる南米・コロンビアに単身乗り込み、
前科者や資金提供を申し出た資産家、地元警察と組んで大規模なおとり作戦を計画する。
やがてティムは、尊い命を救うために命懸けで作戦に臨むことになる。

国際的な児童人身売買の被害に遭った少年少女の救出に奔走したティム・バラード氏の経験に基づく実録サスペンス。
児童人身売買の闇に立ち向かう捜査官をジム・カヴィーゼルが演じ、ミラ・ソルヴィノ、ビル・キャンプらが共演。
アレハンドロ・モンテベルデがメガホンを取り、メル・ギブソンが製作総指揮に名を連ねる。

【感想】
現在進行形の原罪と向き合う力作。
制作陣の覚悟に刮目せよ!!

まず、ストーリー、脚本。
よい意味でとても巧妙。
ヒーローを準備し、悪役をクッキリさせ、サスペンスやアクションまで用意。
激重なテーマの入り口を大きく取り、プラットフォームとしての「映画」を縦横無尽に活用。
まずは作品として、エンターテインメントとしてとっつきやすい設計、見事な脚本です。

そして演出演技。
これもまた巧み。
俳優陣の感情の明暗をきっちりつけながらの演技は圧巻でしたし、
世界にはびこる格差を映像として見せきることにも成功。
今回の作品は「児童誘拐・人身売買」がテーマ。
真実に基づく、とはありましたがおそらく映画で描き、
観客である我々が耐えうる作品に仕上げるにはこれもまたよい意味での希釈、その塩梅が問われるところ。
そこで大きく尺を取ったスリリングなアクションシーンや、サスペンス的な会話のやりとりなどなど、
もっと薄暗く、もっと血なまぐさくしてもよい所を敢えて明るく撮りきる演出プランも当たりに感じました。

さて。
人身売買は当たり前ですが
買い手があって成立し、格差があって需給が満たされ、闇経済を潤す財源となり、ひいては実経済を直撃し、また格差を生み出し、、。
この悪循環のスイッチであることはおぼろげながら認識はしていたつもりなのですが、
その規模、その荒っぽさ、子供たちが置かれた環境のひどさは演出上マイルドにしてあるはずなのに想像を遙かに超えるものでした。

社会には無数の問題があり、
どれもこれも解決は難しく、
仮に一つだけ克服しても、世界は変わらない。

諦観してしまうことは無理のないことかもしれません。
それでも主演俳優がエンドロールで語る、アンクルトムが世界を変えたように、
この映画の存在が現代の奴隷制度を打ち破らないとは誰にも言えないように思います。

少なくとも「我々」は買い手側、無関係ではあり得ないことも心に突き刺さりました。
社会問題に個人としていかにコミットしていくか、という大きなテーマも問われていたように感じます。

けして楽しい作品ではありませんが是非一度観ていただきたい一本になりました。

【評価・つけるとすれば】
4.5です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
↓お読みいただきありがとうございました。宜しければぜひぜひコメント・クリックをお願い致します↓

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伊東のホテル|伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオン
by alcyon | 映画観た

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