こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2024年78本目】映画「サウンドオブフリーダム」観ました。
国土安全保障省の捜査官ティム(ジム・カヴィーゼル)は、
国際的な性犯罪組織に拉致された少年少女の行方を追っていた。
上司から特別に捜査許可を得た彼は、児童人身売買がはびこる南米・コロンビアに単身乗り込み、
前科者や資金提供を申し出た資産家、地元警察と組んで大規模なおとり作戦を計画する。
やがてティムは、尊い命を救うために命懸けで作戦に臨むことになる。国際的な児童人身売買の被害に遭った少年少女の救出に奔走したティム・バラード氏の経験に基づく実録サスペンス。
児童人身売買の闇に立ち向かう捜査官をジム・カヴィーゼルが演じ、ミラ・ソルヴィノ、ビル・キャンプらが共演。
アレハンドロ・モンテベルデがメガホンを取り、メル・ギブソンが製作総指揮に名を連ねる。
【感想】
現在進行形の原罪と向き合う力作。
制作陣の覚悟に刮目せよ!!
まず、ストーリー、脚本。
よい意味でとても巧妙。
ヒーローを準備し、悪役をクッキリさせ、サスペンスやアクションまで用意。
激重なテーマの入り口を大きく取り、プラットフォームとしての「映画」を縦横無尽に活用。
まずは作品として、エンターテインメントとしてとっつきやすい設計、見事な脚本です。
そして演出演技。
これもまた巧み。
俳優陣の感情の明暗をきっちりつけながらの演技は圧巻でしたし、
世界にはびこる格差を映像として見せきることにも成功。
今回の作品は「児童誘拐・人身売買」がテーマ。
真実に基づく、とはありましたがおそらく映画で描き、
観客である我々が耐えうる作品に仕上げるにはこれもまたよい意味での希釈、その塩梅が問われるところ。
そこで大きく尺を取ったスリリングなアクションシーンや、サスペンス的な会話のやりとりなどなど、
もっと薄暗く、もっと血なまぐさくしてもよい所を敢えて明るく撮りきる演出プランも当たりに感じました。
さて。
人身売買は当たり前ですが
買い手があって成立し、格差があって需給が満たされ、闇経済を潤す財源となり、ひいては実経済を直撃し、また格差を生み出し、、。
この悪循環のスイッチであることはおぼろげながら認識はしていたつもりなのですが、
その規模、その荒っぽさ、子供たちが置かれた環境のひどさは演出上マイルドにしてあるはずなのに想像を遙かに超えるものでした。
社会には無数の問題があり、
どれもこれも解決は難しく、
仮に一つだけ克服しても、世界は変わらない。
諦観してしまうことは無理のないことかもしれません。
それでも主演俳優がエンドロールで語る、アンクルトムが世界を変えたように、
この映画の存在が現代の奴隷制度を打ち破らないとは誰にも言えないように思います。
少なくとも「我々」は買い手側、無関係ではあり得ないことも心に突き刺さりました。
社会問題に個人としていかにコミットしていくか、という大きなテーマも問われていたように感じます。
けして楽しい作品ではありませんが是非一度観ていただきたい一本になりました。
【評価・つけるとすれば】
4.5です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
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