こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
【観た/2024年82本目】映画「SUPER HAPPY FOREVER」観ました。
2023年8月19日、幼なじみの佐野(佐野弘樹)と宮田(宮田佳典)は、伊豆の海辺にある閉館間近のリゾートホテルを訪れる。
5年前にここで出会った妻の凪(山本奈衣瑠)を亡くしたばかりで自暴自棄になる佐野を見かねて、宮田が助言するものの彼の言葉は佐野には届かない。
二人は閉店した思い出のレストランや遊覧船を巡り、かつて無くした妻との思い出の赤い帽子を捜す。五十嵐耕平が監督などを務めたロードムービー。
妻に先立たれた男性が、妻と出会ったリゾート地を幼なじみと共に5年ぶりに訪れる。
佐野弘樹、宮田佳典のほか、山本奈衣瑠、ホアン・ヌ・クインらがキャストに名を連ねる。
五十嵐監督と組んだダミアン・マニヴェルが共同プロデューサーなどを担当する。
【感想】
短すぎた思い出と長すぎるこれからの日々。
美しい情景が胸をえぐる喪失の物語。
まずストーリー、脚本。
テーマ自体はよくあるパターンで、悪くいえばありきたりになってしまいがち。
これを前半に「破綻」、後半に「構築」を持って行く、いわば倒置法的に脚本をくみ上げることで新鮮味を確保。
さらにはプロットをちりばめ、男性と女性の別れの物語にとどめない話の幅と深みを持たせています。
そして演出演技。
これもまた出色。
自暴自棄な男性、意外に多い設定だと思うのですが、これが抜群に上手い。ともかくいやな感じ。
天真爛漫な女性、これもよくある設定ですが、また上手い。絶妙にハラハラする。
地方の観光地の華やかだった過去とひなびた今の対比。
自己啓発セミナーに傾倒してゆく親友。
苦しみ、閉塞感、しいては死の描写が細やか。
後半のボーイミーツガールの部分の浮き立つような日々が、
前半の残り香を探すかのような一日の輪郭を強調している。
正直最初の5分10分はきつく、苦手な映画と感じていましたが、
途中からみるみるストーリーに引き込まれ、まるで二人を目撃しているかのような気持ちにになりました。
さて。
出会ってしまえば別れるのは必至。
それは今日かもしれないし、十二分に先かもしれない。
喪失を感じるのは自分じゃないかもしれない。
言い換えれば出会いとは残酷の入り口なのかもしれない。
それでも人は出会い、慈しみ、共に生きてゆく。
SUPERでHAPPYでFOREVERじゃ無いことなんてわかっているのにもかかわらず。
心の渇きが癒やされる、豊かなラストシーン。
思い出の場所、思い出の時。
ちゃんと覚えていなきゃと感じました。
素晴らしい映画体験だったと感じます。
【評価・つけるとすれば】
4.2です。
ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です
もちろん「オススメ☆」です♪
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