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アルシオン通信

Alcyon Blog

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2022年09月11日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2022年51本目】映画「ブルー・バイユー」観ました。

【解説・あらすじ】
アントニオ(ジャスティン・チョン)は韓国で生まれ、3歳で養子としてアメリカに渡る。
その後彼はシングルマザーのキャシー(アリシア・ヴィキャンデル)と結婚し、娘のジェシーと3人でつつましく暮らしていた。
だが、ある日、警官ともめたアントニオが逮捕され、30年以上前の書類の不備によって移民局に引き渡された上に、
強制送還の危機にさらされる。

ジャスティン・チョンが、監督や脚本などを手掛けたヒューマンドラマ。
幼いころに養子としてアメリカに連れて来られた韓国系アメリカ人の男性が、強制送還の危機に家族と共に立ち向かおうとする。
アリシア・ヴィキャンデル、のマーク・オブライエン、リン・ダン・ファンらが共演。

【感想】
法律が、差別が、家族を引き裂いていく。最後のセリフ、叫びに心が砕ける音がしました。。。

まず脚本、ストーリーについて。
わざわざクレジットには出てきませんが、これぞまさに”based on true story”。
綿密な取材をもとにしたであろう幾多のストーリーを、
一人の「アメリカ人男性」を通じて重層的に描き出しています。
シングルマザーとその子供の葛藤。
命の灯火、最後まで生き抜くことへの渇望。
移民と難民の置かれた立場の微妙な違い。
そして、人種差別。
社会問題を提起する、重厚になってしまうことを厭わない、なりふり構わぬ姿勢には圧倒されました。

そして演出、演技。
作りは極めてオーソドックスで、起承転結、それぞれの物語をきっちり追っていくことに徹していました。
そのためでしょう、セリフの、表情の陰影がクッキリとしていて、グイグイ感情移入できました。
また、どのキャラクターにも「善悪」のグラディエーションがあり、しっかりとした奥行きも感じます。
特筆すべきは子役の絶妙な可愛さ。
この愛おしさが最後の最後までストーリーを支えていく様は圧巻だったと感じます。

さて。
まず倫理良心、そこで贖えない部分を法が救済する。
僕はそうあるべきだと思っています。

翻って、今作。
差別が社会を崩し、法が家族を切り裂いていく。
多様性はユートピア、
果たしてアメリカ社会の映画なのか。
まるでこの世界のすべてのようではないか。

「ブルー・バイユー」とは劇中の回想シーンで出てくる「青い小川」のことだそうです。
ラストシーンの父性、小川のシーンの母性。
流れていたのは愛おしさ、それとも憎しみだったのか。
どちらも辛い展開ですが、受け止め、立ち止まり、
今一度良心の置所、倫理の住所を考える必要があると思いました。

【価点・つけるとしたら】
☆4.5です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

もちろん「オススメ☆」です♪
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by alcyon | 映画観た
2022年09月09日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2022年50本目】映画「ライダーズ・オブ・ジャスティス」観ました。

【解説・あらすじ】
アフガニスタンで任務に就いていた軍人・マークスは、妻が列車事故で亡くなったという報せを受けて急遽帰国する。
娘と共に悲しみに暮れる彼の前に現れた数学者のオットーらは、
事故は犯罪組織“ライダーズ・オブ・ジャスティス”が殺人事件の重要な証人をほうむるために起こしたものだと告げる。
怒りに燃えたマークスは、オットーたちの協力を得ながら復讐を誓うが、事態は予想していなかった方向に進む。

マッツ・ミケルセン主演によるアクション。
妻が犯罪組織による暗殺に巻き込まれて命を落としたことを知った軍人が、数学者らの協力を得て復讐に挑む。
メガホンを取るのはアナス・トマス・イェンセン。
ニコライ・リー・コス、ラーシュ・ブリグマン、ニコラス・ブロのほか、
アンドレア・ヘイク・ゲーゼベウ、グスタフ・リンドらが出演する。

【感想】
それにつけてもマッツ・ミケルセンのイケメン戦闘力の凄まじさ!!!!

まず脚本、構成について。
思わぬ事故からの喪失。
父親と思春期の娘の難しい距離感。
軍務に明け暮れ、任務に忠実だったが故の実社会との距離感。
これらの三要素を
距離感のある者同士が意外に共通点を見つけ連帯してしまうという、
英語は苦手な人同士のほうがよく通じるみたいな「あの現象」をうまく利用し、
物語を推進、狂気性を深掘り。
どの要素もバランスよく配置されていて上手い!と感じました。

そして演出だったり配役だったり。
主演マッツ・ミケルセンの「無骨な軍人らしさ」を一発で観客に理解させる演技力はさすが!
特にアクションよりも台詞回しで表現していく力量は、もう一回、やっぱりさすが!
娘、その恋人といった若いキャストの演技もやたらと安定感あり。
アクションはどこかで見たことあるようなのばっかりですが会話劇としてのサスペンス量は多めでした。

難癖つけるとすれば、、

・脚本の性質が思ったよりヘヴィーなのでコメディっぽいシーンがかなり浮いて感じる。
・よくできた本、上手い演出ではあるが、入り口の伏線が見え見えでそれほど意外性はない。
・数学者3人組のキャラ付がありきたり。既視感が半端ない。

の3点でしょうか。。。

いずれにしても、
デンマークの至宝、マッツの演技力を堪能できるのはやはり贅沢な時間の使い方と言えるし、
スピード感のある、骨格のしっかりした北欧映画のスタンダードであることもまた確か。
マッツの「アナザーラウンド」なんかも合わせてみるとより味わい深いと思いました。

【価点・つけるとしたら】
☆3.9です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

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by alcyon | 映画観た
2022年09月07日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2022年49本目】映画「シラノ」観ました。

【解説・あらすじ】
17世紀のフランス。軍きっての騎士シラノ(ピーター・ディンクレイジ)は、剣の腕が立つだけでなく、詩の才能にも恵まれていた。
だが、自らの外見に自信がない彼は、思いを寄せるロクサーヌ(ヘイリー・ベネット)になかなか告白できない。
やがてロクサーヌはクリスチャン(ケルヴィン・ハリソン・Jr)に惹(かれるようになり、
彼と同じ部隊に所属するシラノに恋の仲立ちを頼む。

エドモン・ロスタンの戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」を原作に描くミュージカル。
17世紀のフランスを舞台に、複雑な状況に陥る3人の男女の恋愛模様を映し出す。
監督を務めるのはジョー・ライト。
ピーター・ディンクレイジが主人公、ヘイリー・ベネットがヒロイン、
ケルヴィン・ハリソン・Jrがヒロインの思い人を演じている。

【感想】
美しい、叙情的な詩と残酷なストーリーが交差するスケール感の大きな物語。

まず脚本など。
原作の尺の調整だったり設定いじったりしたくなるところを、
無理せずシラノの「外見コンプレックス」をいかに映像化するかから引き当てて再構成。
また中世の貴族社会を完結に説明しきっていて物語に入り込みやすい設計。
美味しい野菜は美味しい塩とちょっとのビネガーで十分美味しい。
素材の良さを十分生かしたセリフ当て、歌当てだったと感じました。

次に演出だったり演技だったり。
ピーター・ディンクレイジが「抜けている」。
まさかあんなに歌えるとは。。。
演技力とはきっとこういう事を言うのだろうし、
今後の俳優のベンチマーク的存在になっていくのでしょう。

ただ、
・ディンクレイジ以外のキャスティングはしっくりこない。
・フランスの物語なのになぜにイタリアロケ。。。
・最後の最後、ラストシーンが突然すぎる。もう少しミュージカル的な盛り上がりが欲しい。
と感じる点も。

美しく、儚い物語、もしかしたら舞台版を見る前、見た後の予習復習にちょうどよい作りなのかなぁ、、。
程々満足といったところでした。

【価点・つけるとしたら】
☆3.7です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

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by alcyon | 映画観た
2022年09月04日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2022年48本目】映画「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」観ました。

【解説・あらすじ】
東西冷戦時代の東ドイツに生まれた男の子ハンセル。
母と二人暮らしの彼の夢は、自由の国アメリカでロックスターになること。
ある日、米兵から結婚を申し込まれた彼は、性転換手術を決意する。
しかし、手術のミスで股間には“怒りの1インチ(アングリー・インチ)”が残ってしまう。
名前をヘドウィグと変え、何とか渡米するも米兵には結局捨てられてしまう。
それでも夢を思い出しロックバンドを結成したヘドウィグは、ある日、17歳の少年トミーと出会う。
同じ夢を持つトミーに愛情のすべてとロックシンガーとしての魂を注ぎ込むヘドウィグだったが、、、。

【感想】
街に「パンクス」が消えた1990年代後半、突如として現れ、狂乱の社会現象を起こした伝説としか言いようのないロックミュージカル!

まず、脚本・構成。
ジェンダー問題、家族の関係性、神と人間という信仰、そして年の差のある恋。
それぞれで一本づつ作れるような要素を100分弱という短い尺にきっちりバランスよく配置。
東西冷戦下のベルリン出身というベースもしっかり効いていて、
全体主義的なものに対するアンチテーゼのようなものも感じました。
ちょいちょい某有名ミュージカルを皮肉るようなシーンや、
ポップス全盛期ロック低迷描写などなど有り、
笑ってよいのかどうか、、、、。
ひねりの効いた脚本でした。

そして演出、演技、何より音楽。
やっぱりミュージカルなので音楽ありきなわけです。
上映時間の割に曲数が多く、歌詞もメッセージ性が強く聴き応えが十分あり。
プロットの回収も速く的確なので無駄に観疲れしない。
総じてバランスにかなり配慮された演出、音楽、配役です。

強いて言うならですが、
・あと10分ぐらい尺をのばしてもうちょっとヘドウィグの生い立ち、バックボーンを追ってほしい。
・おそらくこんなに全世界的なムーヴになると思ってなかったせいなのか、小ネタが拾えないところも多数。
といったところでしょうか。

日本でも数々の名優が舞台版で挑戦してきた作品。
何よりもテーマの普遍性が輝き、現代でもなお新鮮。
2022年9月現在、パンクもロックも「死んでない」です!
多様性が命運を分けるであろう今日だからこそ観ていただきたい作品でした。

【価点・つけるとしたら】
☆4.0です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

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by alcyon | 映画観た
2022年08月31日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2022年47本目】映画「藍色夏恋」観ました。

【解説・あらすじ】
楽しい高校生活を送る17歳のモンは、ある日、親友のユエチェンから恋の相談を受ける。
その相手は水泳部のチャン。彼をよく知らないモンだったが、
夜中にユエチェンと一緒に彼が秘密練習をしている学校のプールを訪れた際、
恥ずかしがるユエチェンの代わりに初めてチャンに話しかけた。
だが思惑と違って、この初対面をきっかけに、チャンはユエチェンではなくモンに好意を抱き始める。
そしてある時、ユエチェンからラブレターを渡して欲しいと頼まれたモンは、
渋々学校の帰り道で自転車に乗ったチャンを追いかけ、手紙を渡すのだったが、、、、。

【感想】
淡い恋心だけではない、苦しさ、切なさを藍色残る夏の夜空に映し出していく、正しく傑作青春映画!

まずストーリー。
冒頭でも触れましたが、いわゆる直球型の恋物語にあらず。
序盤から少しづつ張られていた伏線が中盤以降回収されると、
スイッチが入ったかのように「切ない」「苦しい」が溢れ出てくきます。
それでいてシリアス要素からビターな展開にするのかといえばそれもまたさにああらず。
しっかりと青春のキラメキの中に収める、前を向いた脚本にはもう好感しか有りませんでいた。

そして演出、俳優陣。
まるで映画の中で生きているかのような、若者のすべてが映し出されているかのような。
カメラワークは本当に自然だし絶妙。
セリフの一つ一つ、ちゃんと役の言葉になりきっている。
「瑞々しさ」をそのまま映像化する監督の手腕、応える俳優陣の技術の高さも必見です。

ちょっとだけマイナス??なのは「もっと観ていたくなる!」ことぐらい。
彼らの冬も、春も、5年後も十年後も、、、、ずっと観ていたい。

そんな気持ちにさせてくれる良作でした。

※本当にケチをつけるとしたら劇伴の音質ぐらいかな、、。

【価点・つけるとしたら】
☆4.2です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

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by alcyon | 映画観た
2022年08月03日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2022年45本目】映画「エルヴィス」観ました。

1950年代、エルヴィス・プレスリー(オースティン・バトラー)は歌手としてデビューする。
彼の個性的なパフォーマンスは若者たちに熱狂的な支持を受ける一方で、批判や中傷にもさらされる。
やがてエルヴィスは警察の監視下に置かれた会場でライブを行うことになり、
マネージャーのトム・パーカー(トム・ハンクス)が彼に忠告を与える。

「キング・オブ・ロックンロール」と称される、エルヴィス・プレスリーの半生を描く伝記ドラマ。
ロックとセンセーショナルなダンスで、無名の歌手からスーパースターに上り詰めていくエルヴィスを映し出す。
監督バズ・ラーマン。
オースティン・バトラーがエルヴィス、
トム・ハンクスがそのマネージャーに扮している。

【感想】
強い光とその影。アメリカン・ドリームの原罪をあぶり出す作品。

まずストーリー。
これはスーパースター、エルヴィスの人生をほぼほぼ時系列で描ききっています。
主題としてはカントリーミュージックとロックの融合における功績を軸に、
実際にあった大きなコンサートやTVショー、後半のホテルショーのところまで細部にこだわった事は見て取れます。
基本的にはマネージャー(トム・ハンクス)のモノローグで語られるところも構成上の成功と言えるのではないでしょうか。

次に演出、演技。
オースティン・バトラーのしっかりとした歌唱と「孤独」さを全面に押し出した演技。
トム・ハンクスの流石としか言えない役作りへのアプローチ。
この2つがなければ成立しない、むしろこの二人に掛け金全振りの潔さ。
監督の肝の座り方にぐっと持っていかれるものがありました。

ただ、

・歴史的背景、とりわけ公民権運動の世の中でのエルヴィス像を描きたかったきらいはあるのですが、これは消化不良。
・マネージャーも含めたいわゆる取巻きの書き込みも少なく、誰がどの役割?ちょっと薄口。
・さらにエンドロールも含め劇伴が時折、現代にすっ飛び、意図がつかめない。エルヴィスの曲もちょっと少なく感じる。

のは難点に感じました。

とはいえ、アレだけの大スターの生き様をスクリーンに収めこんだ事自体、偉大な所業。
後半の山場、”If I can dream” を聴く、そのためだけでも意味のある映画だと思います。

【価点・つけるとしたら】
☆3.9です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
☆5・・・・生涯の名作!です

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by alcyon | 映画観た
2022年08月01日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2022年44本目】映画「わたしは最悪。」観ました。

30歳になったユリヤ(レナーテ・レインスヴェ)は人生の方向性が定まらず、これまでさまざまな才能を無駄にしてきた。
一方、年上の恋人アクセルはグラフィックノベル作家として成功し、最近は家庭を持ちたがっている。
ある夜、招待されていないパーティーに紛れ込んだ彼女は、若く魅力的な青年アイヴィンと惹かれ合う。
その後アクセルと別れ、新たな恋に踏みだしたユリヤは、その恋に人生の新たな展望を見いだそうとする。

ヨアキム・トリアー監督がメガホンを取り、第94回アカデミー賞の脚本賞と国際長編映画賞にノミネートされたラブストーリー。
30歳を迎え恋愛、キャリア共に思い通りにいかない女性が、現実にもがきながら自分を見つめ直す。
レナーテ・レインスヴェが演じ、第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で女優賞を獲得。
共演にはアンデルシュ・ダニエルセン・リーらが名を連ねる。

【感想】
おそらく感想が二極化する、最悪なのか最高なのかわからない映画。

まずストーリー、脚本。
才能に恵まれ、よくモテる主人公ユリアがいちいち間違った選択をし、そして運が悪い方にすすんでいく。
12+2のチャプターごとに語られるエピソード、過去とは美しい訳では無い、悪手の連続だという監督の視点はたしかに斬新。
一つ一つのシークエンスの中に結論めいたセリフを織り込むのも興味深かったです。

そして演出。
出演キャストの人間臭さを全面に押し出し、上辺のやりとりを押しつぶすかのようなシーンの連続。
あえてしんどさを強調し、主人公の自由奔放さ、わがままさ加減を意図的に放置。
クッキリと人間の面倒くささを表現しきっています。
オスロという街の特徴、整然とした清潔感との対比もほぼほぼ狙い通りだったのではないでしょうか。

ただ、その自由奔放さはちょっと度を超えていて。これが共感できるか否かは謎。
これが楽しい人生、豊かな人生なのかも謎。
12のチャプターがありますが、最後の2つくらいで急にお話が推進する、構成上の緩急の付け方も謎に感じました。

終盤の決着、自分の生き方の主人公は誰なのかという問い、その答えには大いに納得しますが、
もうちょっと起伏をつけて明暗の表現も交えたほうが共感できたかな?というのが正直な感想です。

【価点・つけるとしたら】
☆3.6です。

ちなみに
☆1 ・・・金返せ
☆2 ・・・DVDで十分
☆3 ・・・劇場で観る価値有り
☆4・・・・是非オススメ!
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by alcyon | 映画観た
2022年07月31日

こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
kazu_R

【観た/2022年43本目】映画「恋は光」観ました。

大学生の西条(神尾楓珠)は、恋する女性が光って見えてしまう特異体質を持つために恋愛を遠ざけてきたが、
「恋というものを知りたい」という東雲(平祐奈)に一目ぼれしたことで、彼女と恋の定義について意見を交わす交換日記を始める。
そんな二人の様子に、長らく彼に片思いしている幼なじみの北代(西野七瀬)は心中穏やかでいられない。
一方、他人の恋人を欲しがる宿木(馬場ふみか)が、西条を北代の恋人と勘違いして猛アタックを開始。
やがて宿木と北代も交換日記に加わり、4人で恋の定義を考え始める。

恋する女性が光を放って見えてしまう男子大学生の初恋を描く、コミックを実写映画化。
4人の大学生がそれぞれの恋愛感情に振り回されながらも、「恋とは何か?」を探究していく。
脚本・監督は小林啓一。
特異体質ゆえに恋愛から距離を置く主人公を神尾楓珠、彼と恋の定義について語らう女性たちを、
西野七瀬、平祐奈、馬場ふみかが演じる。

【感想】
恋の定義、その謎に挑む男女4人の物語!

まずストーリー。
大学の文学部、しかも日本文学というレアレアなシチュエーションを舞台に、しっかりきっちり恋の深淵に迫っていく、
まるで小説を読んでいるときのような独特のリズム感が秀逸。
文学的に寄せきったセリフの数々も振り切っているので不自然には感じません。

そして、演出や演技。
秀逸です!
4人の男女か奏でる恋の音のようなものも感じることができて、
それぞれ粒立っているのに、きっちりとしたハーモニー。
シーンごとの繋がりもよく計算されていて、ラストに至るもどかしい、息の詰まるような展開も本当に愛おしい。
特に西野七瀬さんの視線を泳がす演技、平祐奈さんの噛みしめるような台詞回し。
こんなことができるのだと、二人の演じることへの執念、凄まじさを感じました。
もう一人、お話を急激に推進する役として出ている伊藤蒼さん。これもまた恐ろしい演技力。
キャストの力を信じて使い切る監督の手腕。
もう一回言います、秀逸です!

ちょっとだけマイナスなのは
・時系列が変?
・文学部男子、モテすぎで羨ましい!!
ぐらいでしょうか?

恋に答えはほしい、でもきっと正解なんて誰にもわからない。
「恋とは、誰しもが語れるが、誰しもが正しく語れないものである」
シーロウ・キーターの言葉がまっすぐに心に刺さる、正真正銘の大傑作。

この映画、この存在こそがまさに光。

ぜひご覧いただきたいです。

【価点・つけるとしたら】
☆4.6です。

ちなみに
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by alcyon | 映画観た
2022年07月27日

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kazu_R

【観た/2022年42本目】映画「リコリスピザ」観ました。

1973年、ハリウッド近郊のサンフェルナンド・バレー。
子役として活動する高校生のゲイリー・バレンタイン(クーパー・ホフマン)は、
ある日学校にやって来た写真技師アシスタントのアラナ・ケイン(アラナ・ハイム)に一目ぼれする。
「運命の出会いだ」と告白してくるゲイリーを、年上のアラナは相手にせず受け流す。
その後、食事をするなど共に過ごすうちに二人は距離を縮めるが、ふとしたことですれ違ったり、歩み寄ったりを繰り返していく。

ポール・トーマス・アンダーソン監督による青春ドラマ。
1970年代のアメリカ、サンフェルナンド・バレーを舞台に、写真技師アシスタントの女性と男子高校生の恋の行方を描く。
3姉妹バンド「ハイム」のアラナ・ハイムと、フィリップ・シーモア・ホフマンの息子クーパー・ホフマンが主演を務め、
ショーン・ペン、トム・ウェイツ、ブラッドリー・クーパー、ベニー・サフディらが共演。
第94回アカデミー賞で作品賞を含む3部門にノミネートされた。

【感想】
「ビジネスパートナー以上、恋人未満」。
この不安定な関係を見事に映画化した、青春映画以上の青春映画。

まず脚本、ストーリー。
70年代、ロス、ボーイ・ミーツ・ガールという手堅い設定。
それを男女間の年齢差、キャリアの捉え方を軸にうまいことこじらせにこじらせ、
緩めたり崩したりしながらお話を推進していくのはさすがの手腕。
精密すぎる職人芸を味わえます。

そして演出、俳優陣。
「豪華で手堅いベテラン」と「フレッシュで危うい若手」を見事にミックス。
音楽も時代の雰囲気をきっちりと捉え、カメラワークもあたかもその時その場にいた、目撃者のような視点を持ち込んでいます。

何より秀逸なのは「走る」シーン。
どの走りにも別々の意味があり、別々の感情があり、そしていつも不格好。
ああ、そうだ、いつだて誰だって美しいわけじゃない。
青春が持つほろ苦さをこれもまた絶妙に表現していたように感じました。

強いて言うならですが

タイトルのリコリスピザ、レコード屋さんの名前らしいんですが、そのへんの意味がわかりにくい。
ロス近郊の地理がわからないとこれまた理解できないシーンが結構ある。

のはマイナスでしょうか。

それにしてもです。

16歳。何をしていただろう。
25歳。何を諦めずにいたのだろう。

もはや走ることの意味なんて健康維持ぐらいしかなくなってしまった日々に、
薄い甘みと強めの苦味を持ち込む、久々に芯を食った映画になりました。

【価点・つけるとしたら】
☆4.4です。

ちなみに
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2022年07月25日

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kazu_R

【観た/2022年41本目】映画「先生、私の隣に座っていただけませんか?」観ました。

結婚5年目を迎えた、俊夫(柄本佑)と佐和子(黒木華)の漫画家夫婦。
佐和子が不倫をテーマにした新作を描き出すが、佐和子の担当編集者である千佳(奈緒)と不倫をしていた俊夫は、
佐和子の新作に登場する夫婦が自分たちとそっくりであることに気づき、自らの不倫がバレたのではないかと考える。
そして漫画のストーリーは、佐和子をモデルにしたらしき女性と自動車教習所の先生が恋に落ちる展開を迎える。

TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2018 で準グランプリに輝いた企画を映画化したドラマ。
不倫を題材にした作品を描き始めた漫画家と、その内容から自身の不倫が知られたのではないかと不安に陥る夫の姿を描く。
メガホンを取るのは堀江貴大。黒木華、柄本佑のほか、金子大地、奈緒、風吹ジュンらが出演する。

【感想】
これはコメディなのでしょうか、それともスリラー?なのでしょうか。。。

まず脚本ですが、
現実とフィクションを二重三重に重ね合わせ、どこが着地点なのか最後までわからない構造。
僕自身はじめはのんびりコメディ気分で見始めたのですが、途中から息苦しくなるほどの濃密さ。
伏線の回収もお見事なよく出来たストーリーだと感じました。

支える配役もなかなかのツワモノ揃い。
黒木華&柄本佑の夫婦としての「慣れ」の演出、芝居合戦は見ものだし、
金子大地,奈緒といった脇を固める俳優陣も抜かりなしの演技派。
お話の推進力をしっかり加速させる見事な配置だったのではないでしょうか。

ただ、
夫側の不倫に至る背景の書き込み不足。
妻側の復讐心の抑え方。
が少し書き込み不足というか、薄味に感じたのも否めません。

もっとドロドロ、もっとぐっちゃぐちゃに!
期待値が高かったのでそこだけマイナスです。

【価点・つけるとしたら】
☆3.8です。

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by alcyon | 映画観た

アルシオンのオフィシャルブログです

kazu_R
こんにちは、伊豆高原の小さなオーベルジュ アルシオンのかずです。
伊豆の四季やイベント、グルメ情報などを中心に、時々は好きな映画や本などのこともUPしていきます。
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